パキスタン大統領に本紙編集長が特別インタビュー(アル・アハラーム紙)
2007年01月23日付 Al-Ahram 紙

■パキスタン大統領、ウサーマ・サラーヤー本紙編集長との会見で:「エジプトはパキスタンにとって重要なパートナーだ」「ムバーラク大統領の意見を傾聴したい」
■「南アジアでの軍拡競争を拒否する」「イランには信頼構築のための行動をとってほしい」
■「パキスタンはイスラエルと独立パレスチナ国家との平和共存を支持する」

2007年01月23日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

パキスタンのムシャラフ大統領は、エジプトがパキスタンにとって評価と信頼に値する重要なパートナーであるとし、エジプトとパキスタン二国間で、特に経済、交易、投資といった多分野での協力を強化して行きたいと明言した。

本紙のウサーマ・サラーヤー編集長との会見に応じたパキスタン大統領は、両国の閣僚級会議によって文化・通商関係が強化され、特に通信と投資分野へのエジプトからパキスタンへの投資が昨年末には20億ドルに達したと指摘した。

また大統領はムバーラク大統領への高い評価を表明し、地域的・国際的な問題についてムバーラク大統領の意見を尊重すると語った。今回の中東歴訪については、中東情勢を沈静化し、地域が戦争や紛争に陥ることを防ぐために、パキスタンとエジプト、その他の国々がイニシアチブを発揮するよう提案するためだと述べた。

アル=カーイダとターリバーンがパキスタン領内にいるのではないかという質問については、両組織のメンバーの存在を完全に否定し、ターリバーンの思想と文化はアフガニスタンに深く根ざしたものだと強調、「ウサーマ・ブン・ラーディンとウマル・アリー師がパキスタンにいるなどという主張はお笑い種だ」と語った。
そしてパキスタンはテロに対して甚大な努力をしていると強調し、「対テロ戦争でのパキスタン側の死者はアフガニスタン軍と同盟軍を合わせた死者数を超えている。テロという現象に対しては軍事行動だけでは十分ではなく、イスラーム世界に広がる不満や疎外の感情に対処するための総合的戦略が必須である」と述べた。

またムシャラフ大統領は、パキスタンは責任ある核保有国であり、中東地域での軍拡競争を否定すると強調、イランに対しては核開発に関して国際社会との信頼を構築するよう求めた。

さらに大統領は、パキスタンとアメリカの関係は良好で、状況の変転にも関わらず堅固であり、「アメリカはパキスタンの治安上の求めに対応している」と語った。

またパキスタンはパレスチナ人の自決権を引き続き支援し、イスラエルと独立パレスチナ国家の平和的共存を支持すると指摘した上で、パレスチナ人同士の闘争が続いていることに懸念を表した。


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( 翻訳者:玉井葉子 )
( 記事ID:4446 )