財務省にスパイがいる:大統領、首相などの資産情報が漏洩
2007年01月25日付 Radikal 紙

国連がテロ組織に資金を提供した人物と見なしているうちの1人、ヤーシン・エル=カドゥに関する捜査を行い、その際所属部署が変更となった財務検査官ハムザ・カチャルが、所得管理局の情報処理センターに違法に侵入し、政府の上層部における人物たちの資産・納税情報を引き出したとして告発されている。

財務省は、大統領、首相、参謀総長、政党の党首、官僚、新聞の運営者などについての資産・納税情報が違法に調査されたことを認めた。カチャルと、税務課長2名、課長補佐1名、及びコンピューター専門職員1名が解雇された。捜査が進行すれば解雇される人数はさらに増えることが明らかにされた。

財務省において「クリーンハンド・オペレーション」と名づけられた捜査は、共和人民党所属の国会議員ケマル・クルッチダルオールとアティラ・カルトが、財務大臣ケマル・ウナクタンについても脱税を理由に告訴し、彼の経営するBEM貿易株式会社に関し財務省に提出された告発書によって始まった。

共和人民党の国会議員らが、財務大臣ケマル・ウナクタンの経営するBEM貿易株式会社が15,600YTL(トルコリラ、¥1,334,000)で買い取ったフォチャ市の養鶏場を、18ヶ月後に1,260,000YTL(¥107,741,700)で売っていたにも関わらず、BEM社は2002年に損失を申告して組織税を払わなかったことを明らかにし、これをトルコ大国民議会に訴えたことは記憶に新しい。

■BEMの捜査から始まった
財務省調査委員会は告発を受け、イスタンブル税務局に文書を送りBEM貿易株式会社の納税調査を求めた。その担当となった2人の納税調査官は、捜査ののち報告書を作成し財務省へ提出した。報告書には、BEM社の会計において違法な手続きは確認されず、税の損失や脱税のあとは全く見つからなかったと記述されていた。調査委員会は次に、以前メディアで取り上げられた様々な情報にも注目し、所得管理局の税務オートメーションプロジェクトにおいて、データ管理に関する安全性に問題がないかどうか調査するよう、ウナクタン大臣に申請した。

■捜査の輪は広げられた
ウナクタン大臣の承諾書を受け、調査委員会代表ジェマル・ボヤルを会長とする特別調査組織が設けられた。この調査では、政府の職員、政治家や新聞社経営者などについて、ここ最近メディアで取り上げられた資産・納税に関する情報も調べられた。セゼル大統領のギョルバシュにある不動産、エルドアン首相が過去に所有していた共同経営会社や資産、共和人民党党首デニズ・バイカルの銀行口座預金に関する情報がひとつひとつ集められた。

■エルドアン首相:「隠し事はない」
これらの事例によって、個人や組織に属する情報が違法にアクセスされ、それが調査されたかどうか、監査が行われることが決定された。
この件に関し質問に答えたエルドアン首相は、「私の資産については全て明らかにしている。隠し事は何もない。」と答えた。

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( 翻訳者:上田悠里 )
( 記事ID:4448 )