サッダーム・フサイン、故郷に埋葬(アル・アハラーム紙)
2007年01月01日付 Al-Ahram 紙

■ サッダーム、夜明け前に外出禁止令下のティクリートで埋葬
■ 25分間の葬儀への出席者はわずか100人
■ バアス主義勢力はイッザト・イブラヒームを新大統領兼イラク軍最高指揮官に選出

2007年01月01日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

【バグダード:ムハンマド・アル=アンワル、世界各国の首都:諸通信社】

 イラク時間の昨日朝4時、外出禁止令が布かれた夜明け前のティクリートにおいて、イラクのサッダーム・フサイン元大統領の遺体が埋葬された。元大統領の故郷であるティクリート近郊アウジャ村で行われた埋葬には、一族の限られたメンバーだけが参列したが、わずか25分の埋葬儀礼の終了後には、多くの市民が墓や告別会場に詰めかけた。

 国営テレビはイラク国旗に包まれた元大統領の棺を映し出したほか、葬送の礼拝に参加した人たちの映像も放映した。

 サッダームの親族が明かしたところでは、アメリカ側は可能な限り早急に埋葬が終わることを望んだという。またイラク治安部隊は土曜日の死刑執行前から、ティクリートの町の出入り口を封鎖していたとも指摘した。

 サッダームの出身部族、アルブー・ナースィル族の一員であるムハンマド・アル=ナースィーリー氏によれば、県の高官と一族のメンバーが参列した礼拝の後に埋葬が行われたが、この埋葬儀式に参加した人数は100人を超えなかったという。サッダームが埋葬されたのはアウジャ村の宗教式典会場であり、これはサッダームが90年代初頭に一族の所有地に建てた公園であって、墓地ではないという。同氏はサッダームの埋葬がこの場所で、このような形で行われたのは一時的な措置に過ぎないと指摘したが、それ以上の詳細については明かさなかった。サッダームの二人の息子、クサイイとウダイイもアウジャ村に埋葬されたが、場所は一族の墓地だったという。

 イラク治安部隊はティクリートへの車の出入りを禁じたが、数百人のティクリート市民が4キロの道のりを歩いてサッダームの生地であり、埋葬の地ともなったアウジャ村に向かった。またアルブー・ナースィル一族はティクリートのサッダーム大モスクにて告別の式典を開き、市内には外出禁止令が出されていたにもかかわらず、大勢の市民が詰めかけた。

 その頃、インターネット上ではテレビでは放映されなかったサッダーム・フサインの処刑映像が流された。
 
 携帯電話を通じてイラク人たちの間でやり取りされているその映像には、絞首刑に掛けられる瞬間のサッダームが「アッラーの他に神なし」と繰り返す声や、処刑台から落下する場面、死の瞬間が映し出されていた。サッダームが言葉を発するシーンもあるが、周りの騒音で聞き取れない。

 他方、イラク・バアス主義勢力は元副大統領のイッザト・イブラヒームに忠誠を誓い、彼を合法的なイラク大統領にして軍最高指揮官と認めた。これはヨルダンの首都アンマンでバアス党事務所が配布した声明文において明らかにされた。同事務所には元大統領の弔問のため、数十人が訪れた。(後略)



Tweet
シェア


現地の新聞はこちらから

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:山本薫 )
( 記事ID:4272 )