ディヤルバクルの地方議会、行政サービスにクルド語も使用できるよう決議(Radikal紙)
2007年01月06日付 Radikal 紙
ディヤルバクル・スル市議会は、行政サービスにトルコ語以外の地方語の使用を認める決議をした。この決議に対し、内務省が即座に調査を開始させたとしても、現地で生活する人々の大半がトルコ語以外の言語を使用しており、この事実は議論が罪と罰という概念の外側でとりあげられるに値する。
もともとこの問題に関する最初の本格的な動きは、2年前、ヨーロッパ社会フォーラムに文書を送ったディヤルバクル・スル市のアブドゥッラー・デミルバシュ市長から出たものだった。デミルバシュ市長は、「多言語の観点から市政運営と地方行政」というタイトルの文章で、「互いに異なることは誤りではない。」と述べ、そして全ての文化が「類のないもの」で「貴重」だと認める必要があると強調していた。その文章には、市役所職員が採用される際、地域語の知識を条件とすること、異なる諸言語での公文書作成を可能とすること、市役所の報告書に多言語を併記すること、さらにはどの言語グループも自らの「市民議会」を設立するといった提案が書かれていた。
これらの提案は、ヨーロッパ社会フォーラムで議論される一方で、トルコでは法廷に持ち込まれた。2005年に書かれたこの文章のために、「テロ組織プロパガンダ」の容疑で裁かれたデミルバシュ市長は無罪放免となった。デミルバシュ市長は無罪判決の後、二つ目の挑戦をした。そしてスル市議会は4日、7対17の賛成多数でトルコ語と共にこの地で話されているクルド語、アラブ語、ザザ語、シリア語等の諸言語でも行政サービスが行われることを決議した。
この決議がとられた直後、「主任査察官を任命し、この問題を調査することになった」との内務省の発表は、新たな危機の兆候であることは明らかだ。しかしデミルバシュ市長の次の言葉は、決議は撤回されないことを示している。
「人は思想のために生きる。取り調べは民主化の観点から間違った一歩となるだろう。」
デミルバシュ市長は、決議は公文書には適用されないことを強調した。その一方で民主市民党(DTP)のアイセル・トゥールク共同総裁は、 「民主的対応としては、公文書でもクルド語の使用が可能となるだろう。」という見解だ。法曹界によれば、トルコ語を話せない国民への行政サービスとして採択された決議が法律に反するところはない。
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( 翻訳者:富田 祐子 )
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