「詐欺師どもはムハッラム月に迷信を広めようと画策している」:治安維持軍長官が警告
2008年01月02日付 Jam-e Jam 紙
【事件部】治安維持軍長官は昨日、社会的安全計画の実施に伴い犯罪が減少したことを指摘する一方、詐欺師どもによってムハッラム月に迷信が広まる可能性があることに警告を発した。
イラン国営通信の報道によると、エスマーイール・アフマディー=モガッダム司令官は昨日、ゴムの「ダーロッシャファー」神学校の集会会場で開かれた「ムハッラム月の特別教宣に関する学術的・実践的セミナー」に出席し、「社会的安全をめぐる問題については、われわれはもっとも困難な地点、すなわちバッドヘジャービー〔女性の乱れた服装〕との闘いから始めた」と語った。
同司令官はさらに、昨年度に比べてならず者の逮捕件数は3%上昇したとし、「ならず者の取り締まりについて、新たな計画では、好ましい社会的影響が伴うような逮捕が行われるよう、変更が加えられた」とも述べた。
アフマディー=モガッダム司令官はまた、「世論調査によれば、ならず者及び麻薬密輸業者との闘いについては市民の96%が、バッドヘジャービーとの闘いについては75%が、治安維持軍に感謝と支持を表明している」とも指摘した。
同司令官はさらに、バッドヘジャービーの取り締まり方法については誇張がなされているとした上で、「90%は現場で注意を受けた。きわめて不適切な服装をしていることから署に連行された者も一部にはいる。違反を繰り返したために司法による処罰が行われたのは、そのうちの半数以下である」と述べた。
治安維持軍長官はまた、「この計画が実施された結果、殺人や強姦、迷惑行為といった社会的犯罪は国全体で15%から16%減少した」とも指摘した。
「我が国の犯罪の90%は、敵による文化的侵略を伴う形で引き起こされている」。アフマディー=モガッダム治安維持軍長官はこう述べ、敵は宗教・民族・社会階層に関わる問題を煽り立て、迷信を広めることで、イスラーム共和国体制に打撃を与えようと目論んでいるとした上で、次のように語った。「ムハッラム月が近づいている。詐欺師どもは宗教の名を騙って人々を欺そうとしている。教宣活動に関わる方たちは、この問題に関して市民に注意喚起ありたい」。
訳注:ムハッラム月はイスラーム太陰暦の1月に当たり、シーア派イスラームにとって「悪との闘い」の象徴である第三代イマーム・ホセインの殉教記念日アーシューラー(10日)があることから、シーア派にとってきわめて重要な月とされる。イマーム・ホセインは「殉教者たちの長」と呼ばれ、1979年の革命やその後のイラン・イラク戦争では「悪(シャーやサッダーム・フセイン)との闘い」に人々を動員する際に利用された。しかし伝統的な民間信仰では、イマーム・ホセインは現世や来世における救済を神にとりなす聖者として敬われていたとされ、そのためイマーム・ホセインをめぐってはさまざまな「
迷信」がつきまとっている。さらに最近では、特に都市部の若者らの間では、ムハッラム月は宗教行事と言うよりはむしろ、一種の娯楽のためのお祭りと化しているとの指摘もある。
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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:12815 )