「表現の自由」を阻害する刑法301条の改正案、議会へ提出へ
2008年01月08日付 Milliyet 紙

法務大臣メフメト・アリ・シャーヒンは、表現の自由の観点から非難されている刑法301条の改正に関する提案が、今週中にトルコ国民議会に提出されるだろう、と発言した。

法務大臣メフメト・アリ・シャーヒンは、表現の自由を阻害する、という理由でしばしば非難されている刑法301条に関係し、閣僚会議へ提出される提案の準備が整った、と述べた。シャーヒンは、昨日行われた記者会見で、提案、または改正案そのものがが今週中にトルコ国民議会に提出される予定だ、と語った。

改正点
シャーヒンは、改正の内容に関する情報は明かせないとしたが、提案では301条のうちの5項目の改正が計画されていることが明らかになっている。改正点は以下のとおり。
1)301条第1項の刑罰の上限を3年から2年に縮めること。刑法51条によると、2年もしくは、より短い期間の留置刑は、罰金に替えて執行猶予にできる。これにより、301条による禁固刑は減る。
2)条文第2項の「トルコ共和国政府や、裁判所や、軍や、治安部隊を公然と侮辱する者は…」という形での、「公然と」という言葉の前に、「故意に」という言葉を置く。こうすることにより、全ての発言に対して訴訟を起こすのが難しくなる。
3)301条に基づく訴訟を起こすには、法務大臣の許可が必要になる。こうすると、共和国検察官は、大臣の許可なしに訴訟が起こせなくなる。
4)301条の初項の「Türklüğü トルコ性」という言葉を、「トルコ民族 Türk Milleti」に変える。
5)「外国でトルコ国民によって引き起こされた犯罪に対する刑罰は、3分の1分、増刑される。」ということに関係する第3項は、301条文から完全に削除される。

トプタン議長:301条が問題を引き起こした。
トルコ国民議会議長キョクセル・トプタンは、昨日、CNN Türk のアンカラ支局長ヤヴズ・オウハンの刑法301条に関係する質問に答えた。「301条が施行されてまだそれほど時間がたっていません。短期間に改正を協議しなくてはならない状況です。なぜ、これほど有害な条文がだされたのでしょうか。」という質問に対し、トプタンは次のように答えた。「元来301条は有害な条文ではない。ところがトルコは、301条の施行が始まるや否や、その運用にともなう、いくつかの問題に直面しました。EUをはじめ、トルコに対する非難が起こり始めました。もともと条文を注意深く読むと、ヨーロッパの全ての刑法にある条文との違いがあまりないことがわかります。間違った法の適応が1~2あり、私たちに深刻な問題をひきおこしたのです。」

「法の適応に間違いがあった。」
イタリアやドイツでは、トルコよりも多く同種の法が適応されている、と説明したトプタンは、これにもかかわらずトルコばかりが責められている、と述べた。オウハンの「オルハン・パムクやフラント・ディンクの訴訟が根拠になっている。」という言葉に対して、トプタンは、「まさに、それらの案件で、適応に間違いがあったのです。トルコは、301条があるのだから、それに関連して何かをしなくてはいけないと(誤って)考えてしまったのです」と応えた。

首相エルドアンの主宰で昨日行われた閣僚会議において、刑法301条の改正が議論された。会議では、301条に基づく取調べの許可が法務大臣に帰せられることが明らかにされた。しかし、これに対しては、元法務大臣のチチェキが反対し、301条に基づく取調べの許可は、法務大臣の代わりに、ある機関によって出されるべきだ、という考えを示した。エルドアンは、この問題を公正発展党の担当機関で協議させてほしいとして決定をもちこした。

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( 翻訳者:高橋 萌 )
( 記事ID:12843 )