女子大生、野犬の群れに殺される
2008年01月09日付 Jam-e Jam 紙

【事件部】23歳の女性が雪の風景を写真に撮るために外出したところ、テヘランの北西部で野犬の群れに襲われて命を落とした。

 23歳の女性の死は、沙漠地帯で起きたものではない。そうではなく、私たちが住むすぐ近所、テヘランという大都市の中で起きたことなのである。テヘラン市の怠慢により、女性は自らの夢を墓にしまい込むことになった。

 ジャーメ・ジャム紙の報道によれば、この事件は月曜日午後2時、開発学を学ぶ23歳の女子大生が雪に覆われた「シャフラケ・ガルブ」地区の風景を見て、美しい雪の情景を記念に写真撮影するために、カメラを手に外出したことがきっかけであった。

 いなくなった女性

 彼女は両親に「行ってきます」と声をかけて外出した。しかし何時間経っても、彼女は帰ってこなかった。心配した両親は、娘を捜しに出かけたが、彼女を見つけることはできなかった。そこで両親は警察の第134シャフラケ・ガルブ分署に通報、消えた女性の手がかりを求めて、警察による捜索が始まった。

 遺体の発見

 若い女性が行方不明になって一日が経った昨日午後、極度の不安から居ても立ってもいられなくなった女性の母親が自宅近くに住む親戚の家を訪ねに行った。その道すがら、娘の服の切れ端を発見、そしてさらに黒い影のようになった場所の周りに犬数頭が集まっているのを目撃した。母親がその場所に近づくと、なんと行方不明になっていた娘の遺体をそこに発見、彼女はただ短く絶叫し、‥‥。

 このことが110番警察緊急センターに通報されるや第134分署の警察官らは現場に急行、催涙ガスを使って遺体の周りにいた野犬の群れを追い払った。本件はその後、テヘラン殺人担当特別予審判事のもとに報告された。

 ロウシャン判事立ち会いの下、捜査警察鑑識チームが現場で女性の死因について検証を始めた。ロウシャン判事はこの事件について、ジャーメ・ジャム紙に次のように話す。「初動捜査の結果、「シャフラケ・ガルブ」地区イラン・ザミーン通りには野犬の群れがおり、女性はこの群れに襲われ逃げようとしたが、恐怖のためか、あるいは犬の襲撃によって気を失い、寒さが原因で命を落とした模様である」。

 続けられる捜査

 ロウシャン判事はさらに、次のように付け加えている。「現場の捜査から、イラン・ザミーン通りのこの場所には人気のない雑木林があり、そこが野犬のたまり場となっていたことが分かった。市民の証言によれば、ここの野犬が市民を襲ったことがこれまでも何度かあったという」。

 刑事検察庁第三支部所属の同判事はまた、「女子大生の死が他殺によるものである可能性は否定されている。雪の風景を撮った写真が女性のカメラには残されていた。正確な死因を特定するために、彼女の遺体は法医学に回されている」と述べ、さらに次のようにコメントした。「この地域にいる野犬の捕獲・掃討がすでに命ぜられている。言うまでもなく、市の責任者たちが市内にいる野犬の捕獲に努力していたならば、多くの夢を胸に抱いて生活を送っていた女子大生の死を、今日われわれが目撃することなどなかったはずだ」。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:12855 )