イラク内政、新反政府派連合形成の動き
2008年01月12日付 al-Quds al-Arabi 紙
■ ブッシュ、米海兵隊は10年以上イラクに留まる
2008年01月12日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
【バグダード:ハーニー・アーシュール(本紙)】
金曜(11日)、ブッシュ米大統領は、米軍のイラク駐留は10年以上延長され得ると述べた。
現在中東歴訪中の同大統領は、NBCとのインタビューで、米軍はイラクに100年留まるという民主党の大統領候補ジョン・マッケインの発言に反対し、100などという数字は不適切だと述べたが、米軍のプレゼンスが長期に渡る可能性はあると付け加えた。
バグダードでは、マーリキー首相が反体制派との政治ゲームを開始し、一方その反体制派は政治改革を呼びかけて新たな連合を形成しつつある。
反体制派の諸連合が実質的な脅威であると察したマーリキー首相は、突如これまでにない動きを見せ、金曜には、国会の「イラク合意」並びに「イラク・リスト」派の議員らと会見した。マーリキー政府についての反対意見を示す事をためらわない二派であるが、会見の場で首相は、民主国家の基盤作りに相応しい環境醸成に向け政治を動かすべく、政府、国会並びに全政治勢力が協調の輪を広げるべきと述べた。分析筋によればこれは、それまでアッラウィー派や「合意」派に対し譲らなかった首相による譲歩の姿勢である。会見において同首相は、現状は各派の協調努力を求めており、それを得られれば政府による努力も実を結ぶだろうと述べた。
首相がこのような会見を行う傍ら、(マーリキー)政府派と反体制派による二極化の様相を呈していたイラク政治情勢に新たな展開が見られる。イラク政治分析家らは、近日中に新しい政治連合が出現し、それによって膠着した現状にひびが入ると見ている。イラク政治の場では、決して互いに協調しているようには見えないが現状への不満故に結びついている諸派が連合する傾向が維持されている。数日前、イブラーヒーム・アル=ジャアファリー博士は、シャルキーヤ放送で放映されたインタビューにおいて新連合公表の意思を表明した。これにより、イラク政治勢力各派と他のアラブ諸国との結びつきを示す地図が見えてくるだろう。
アル=ジャアファリーの発言を受け、アッラウィー派議員イヤード・ジャマールッディーンも新たな反政府勢力形成の動きを認めた。ジャマールッディーンによれば、イラク国内の異なる幾つかの政治勢力が、合意文書作成の基本方針で意見を同じくしている。文書は、イラクの確固たる統一、その資源の乱用防止、中央政府の権限を拡大し、石油ガス法案、バアス党根絶のための聴取や裁判に関わる法などを巡る争いを治め、国勢をコントロールする事等を目的としたもので、近日中に記者会見で発表される見通しである。
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( 翻訳者:十倉桐子 )
( 記事ID:12866 )