イスラエル国防相がエジプト訪問、国境のエジプト軍部隊増強承認を拒否
2007年12月27日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ ガザへの兵器密輸をめぐってエジプト・イスラエル間が緊張
■ バラク国防相、エジプト国境における兵力増強承認要求を拒絶
■ ムバーラク・エジプト大統領がアサド・シリア大統領のメッセージをイスラエル国防相に伝えたとの情報

2007年12月27日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【シャルム・アル=シェイク、ナザレ、エルサレム:本紙ズハイル・アンドラウス、ワリード・アワド、アシュラフ・アル=ハウル記者】

 イスラエル国防相の訪問は、ガザ地区への兵器密輸に対してエジプト政府が十分に対策をとっていないとイスラエルが主張している問題をめぐるエジプトとの緊張緩和に失敗した。イスラエルのバラク国防相は、イスラーム抵抗運動(ハマース)が支配しているガザ地区との境界線にエジプト軍部隊の増強を許すエジプトとの平和条約改正の可能性を否定した。

 バラク国防相は、保養地シャルム・アル=シェイクで行われたエジプト大統領、フセイン・タンターウィー国防相、オマル・スレイマーン情報局長官との会議の後に行われた談話の中で、「イスラエル・エジプト平和条約を改める必要はないと思う」と語った。また、バラク国防相は、「私は、いかなる困難も対処する中で意見の一致をなすためにより良い道があり、対立があれば膝をつめて議論をすればよいのだという印象を持った」とジャーナリストたちに語った。

 これに先立ってエジプト大統領府のスレイマーン・アウワード報道官は、「エジプトは、1億ドルの対エジプト軍事援助を保留するというアメリカ議会の決定にイスラエル政府が関与したことを非難する」と語った。また、「イスラエルのエジプトに対する非難は、現在行われている入植活動と、アナポリス会議の合意事項が遵守されていないことから注意を逸らすことを目的とした煙幕である」と付け加えた。

 一方、イスラエル国防省高官は、「エジプトのホスニー・ムバーラク大統領は昨日水曜日に、イスラエルのエフード・バラク国防相にシリアのバッシャール・アル=アサド大統領からのメッセージを伝えた」と語った。昨日水曜日にイスラエルのハアレツ紙は、エフード・オルメルト首相がシリア大統領に特別のメッセージを送ったと報道しており、その内容は、「イスラエルは和平合意に達するための二国間交渉の再開に関するシリアの返答を待ち続けている」というものである。匿名を希望している同高官は、バラク国防相のイスラエル帰国の直後、「シャルム・アル=シェイクでの会談で、ムバーラク大統領はシリア大統領からのメッセージをバラク国防相に伝えた」と語った。

 また、別のイスラエル政府高官は、「イスラエルのエフード・オルメルト首相は火曜日、イスラエルを訪問中でこの後ダマスカスを訪問する予定のアメリカ上院代表団に対して、和平についてイスラエルが開放的な姿勢をとっていることに対するシリアからの返答を待っていることを強調した」と述べた。

 ハアレツ紙の政治記者であるバラク・ラフィドは、「オルメルト首相は火曜日、アメリカのアーレン・スペクター上院議員と会って書簡を渡した」と語り、「スペクター議員は今日木曜日にダマスカスに到着し、そこでアサド大統領をはじめ政府首脳と会談するだろう」と述べた。

 なお、スペクター上院議員は共和党のユダヤ人議員であり、与党共和党の中ではシリアとの対話再開を最も強く訴えている政治家の1人である。またハアレツ紙は、「オルメルトとの会談の間、スペクター上院議員はエジプトとの交渉再開に関してイスラエルの見解を聞かせてくれるようオルメルト首相に求め、自分がダマスカスを訪問することを伝え、シリア問題に関するイスラエルの公式の立場について説明するようオルメルト首相に求めた」と伝えている。

(中略)

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( 翻訳者:梶田知子 )
( 記事ID:12890 )