大学でスカーフを解禁する試みに対し厳しい反発を示した最高裁判所と行政裁判所に対し、今度はレジェプ・タイイプ・エルドアン首相から同様の反発があった。「この国でもし権力の分立があるなら、この国で立法、行政および司法の力が互いに干渉してはならないならば、みな立場を、その位置づけをよく知るべきである。誰であれ自分を立法や行政機関より上であると考えてはいけないし、そうであってはならない。特に、だれも暗示的なものの言い方をしてはならない。司法の立場は暗示でものをいうための立場ではない。彼らもまた自らの任務を、憲法が明示している条件の中で行われなければならない。民主主義体制を根本的なところで形作っている政党を、弾圧するようなことを誰であれ行ってはいけない」。
「政治的シンボルであったとしても、大学でスカーフを禁止すべきでない」とのエルドアン首相の一言をうけ、最高裁判所共和国検察長官アブドゥッラフマーン・ヤルチュンカヤは「政党は共和国の世俗主義の特性を変えようなどと思ってはいけない、そのための活動や宣言をしてはならない。もしそうしたことが発覚したなら責任が問われる」との発表をした。ヤルチュンカヤ検察長官は世俗主義に反するこうした試みは、社会的な対立の原因となりうると主張した。最高裁判所検察長官に引き続き、行政裁判所も「スカーフ警告」ともいえる「(エルドアン首相らの)試みは共和国が築きあげてきたものに反している」との発言を行った。最高裁判所からのこの厳しい批判に、エルドアン首相は反発を示した。イスタンブルで公正発展党のウムラニエ、ベイコズ、カドゥキョイの女性支部会議に参加したエルドアン首相は簡潔に次のように述べた。
我々も彼らと同じほど憲法を知っている
トルコの輸出高は79年で計10億ドルである一方、この5年でさらに1000億ドルを追加した。メディアはこれらを報じていない。彼らの関心はスカーフだけだ、こうだ、ああだと。トルコがどう変化したか、これを書いてくれ。この国では、他人の外見や衣服に、誰もかかわる権利はない。関わるべきではない。これは、人間の、国民の、個人の選択である。個人にゆだねなさい。どのようなものを着用していても、個人の選択としてそうしているなら、そのようにさせなさい。このことにどうして干渉するのか?これは「良心および信教の自由」に入らないらしい。では何が自由に入るのか?我々に対しいつも憲法を引き合いに出さないでもらいたい。少なくとも彼らと同じほど我々も憲法を知っているのですから。
誰も暗示的なものの言い方をしてはならない。
この国にもし権力の分立があるなら、立法、行政および司法の力が互いに干渉してはならないならば、みな立場をその位置づけをよく知るべきである。誰も自分を立法、行政機関より上であると考えていけないし、そうであってはならない。特に、だれも暗示的なものの言い方をしてはならない。司法の立場は暗示でものをいうための立場ではない。彼らまた自らの任務を、憲法が明示している条件の中で行われなければならない。民主主義体制の基本原理である政党を、弾圧するようなことを誰であれ行ってはいけない。
空回りしているアタテュルク主義者
アタテュルク主義を糧に生きている者がいる。我々は現代文明の水準を超えるはずだったではないですか。今日まで彼らはいったい何を行ってきたというのですか?なにも行ってこなかったように、全く発展がなかった。みな空回りしたのです。
バイカルに訴訟を起こす
共和人民党デニズ・バイカル党首は「この公正発展党は、なにかしらアンカラで苦労している」と述べている。また「アタテュルク(主義)との兼ね合いで苦労している」と述べている。これらに関する訴訟を起こすつもりだ。イシュ銀行の経営陣には4人の共和人民党員がいる。イシュ銀行の創設者は誰だ?アタテュルクである。イスタンブルになぜもってきたのか?
バイカルは問題を簡単に片付けようとしている
最大野党の指導者にバイカルのようなリーダーがいる。これを喜ばしいことと思っている。なぜならことが簡単にすすむからである。共和人民党の考え方はトルコには根付いていない。私は彼に予算審議会で言いました。「あなたはアンタリヤ選出の国会議員である、大臣になった、副首相になった。何をしたのか、アンタリヤで?」。すると彼は立ち上がり、「私はこういうことをしました」ということを言えなかったのです。
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( 翻訳者:栗林尚美 )
( 記事ID:12936 )