ブッシュ大統領、ユダヤ人国家としてのイスラエル存続を約束、違法入植地の撤去を呼びかけ
2008年01月10日付 Al-Ahram 紙

■米大統領、ユダヤ人国家としてのイスラエル存続を約束、違法入植地の撤去を呼びかけ
■オルメルト首相:「ブッシュ大統領は新たな義務を要求しなかった…ガザからの攻撃停止なしに和平はない」
■イスラエルTV:「ブッシュ大統領がガザ地区での軍事行動に同意、ペレツ国防相は米にイランとヒズブッラーとハマースの狂気を止めるよう要請」

2008年01月10日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

【テルアビブ:諸通信社、ガザ:アシュラフ・アブルホウル】

アメリカのジョージ・ブッシュ大統領はイスラエルに対し、パレスチナ領に存在する違法入植地の撤去を呼びかけた。

ブッシュ大統領は昨夜の会談後、イスラエルのオルメルト首相との共同記者会見で「パレスチナ和平実現の絶好の、歴史的なチャンスを感じる」と述べた。

ブッシュ大統領は「平和の内に共存する2国家という原則に基づいた解決の必要性を確信している」と強調し、「この見解の実現は世界とアメリカの利益となる」と述べ、彼の任期中のパレスチナ和平実現の可能性について楽観的な考えを示した。また「いくつかの痛みを伴う政治的譲歩や、困難な交渉があるだろう」としたうえで、「米政府の役目は交渉のサポートだ」とはっきりと示した。そして「オルメルト首相とパレスチナのマフムード・アッバース大統領は、和平のために難しい決断を下す準備ができている」と述べた。

ブッシュ大統領はイスラエルへ到着後「アメリカとイスラエルの同盟関係はユダヤ人国家としてのイスラエルの安全を保証する」と明言していた。

一方オルメルト首相は、「ヨルダン川西岸地区にある違法入植地の撤去義務を果たす」と発表し、「イスラエルはあらゆる根本的な問題に対処し、実現可能な合意に到達するために、パレスチナと和平交渉を真摯に継続していく義務を負っている」と述べた。そして首相は「ガザ地区からの攻撃の停止なしに和平はない」と指摘し、「ブッシュ大統領はこれまでに和平プロセスに関してイスラエルに課されている義務の他には、新たな義務を課さなかった」と述べた。またブッシュ大統領について「個人的な友人であるとともに、イスラエルの一番の支援者である」と評し、「イスラエルとアメリカ合衆国の結びつきは揺るぎないものだ」との確信を示した。また、「ブッシュ大統領はイスラエルにとって最強の同盟者であり、テロリズムと過激派に対する戦いを遂行する上で最も信頼に足る」と述べた。

他方イスラエルTVは、ブッシュ大統領はオルメルト首相に対し、ガザ地区での最大規模の軍事作戦に青信号を与えたと伝えた。

(後略)

Tweet
シェア


現地の新聞はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:桑山沙央里 )
( 記事ID:12942 )