エスファハーンで哀悼行事中に事件が続発
2008年01月20日付 E'temad-e Melli 紙

【エッテマーデ・メッリー】エスファハーン治安維持軍の社会問題・指導担当次官は、エスファハーンでの哀悼行事で大規模な衝突や発砲が発生したとの報道を否定し、この問題は脚色されており、違反者たちによる不法行為へと〔人々を〕煽り立てるものであると警告した。

 エスファハーン治安維持軍の社会問題・指導担当次官であるアラヴィー大佐は、この問題についてインターネット・ニュースサイト「エブラト」〔http://www.ebrat.ir/〕に対し、以下のように述べた。「周知の通り、治安維持軍は以前からさまざまな計画を実行し、広報やヘイアト〔各地区に存在する、哀悼行事を取りおこなう団体〕の責任者らとの話し合いに尽力してきた。その中で、彼らに対し冒涜的な行動は厳に慎むよう要請してきた」。

 アラヴィー大佐はその上で、注意を真剣に受け取ろうとしない人々について、以下のように言及した。「このような行為はわれわれの統制下にある。警察官らはすでにこの問題に関して対策を実行してきたが、しかしそれにもかかわらず、先週木曜日の朝、一部の人々がエスファハーンのアブドッラッザーク通りで、刃の付いた鎖や短刀といった道具を使用するなど、違法行為を行った。これに対して、厳しい取り締まりが行われた〔*訳注1〕」。

 これに関連し、木曜日の夕方にもエスファハーンで衝突が発生した。このことに関して、アラヴィー大佐は「一部の人々が同日の夕方、法に背いた行動を起こした。はじめは彼らに対して注意が発せられたが、しかしこうした法令無視の行動が続いたため、法的措置が行使された」との説明を行った。

 一方、エスファハーンのチャーデガーン県の地元民も、治安維持軍職員による同様の取り締まりが同地区に対して行われたことを明らかにしている。毎年この行事に参加している人々の一部が語ったところによると、治安維持軍の特別部隊がタースーアー〔*訳注2〕の日に同県に派遣され、厳重な措置が取られたという。

 地元民の一人はこのことに関して、以下のように述べた。「この地域では毎年一部の人々が短剣による額突き(ガメ・ザニー)をしていましたが、今年はこのような行動は厳しく取り締まられました。20人ほどの市民が逮捕され、そのうち数人が昨日釈放されましたが、中にはいまだに拘束されている人もいます」。

 一方、これらの事件の過程で、チャーデガーン県以外でも70人以上の人々が逮捕されている。

哀悼行事中、喧嘩の末に若者が殺害される

 他方、哀悼期間中のエスファハーンで、ムハッラム月初めより口論を起こしていた二人の若者が喧嘩を始め、そのうちの一人が殺害されるという事件も起きている。

 ムハッラム月2日〔1月11日〕の夜、その場に居合わせた若者たちによる二組のダステ〔哀悼の行進を行うグループのこと〕の間で、ザンジール・ザニー〔哀悼の行進〕の行列でどちらが前方になるかをめぐって争いが起こった。この争いは当初、その場にいた長老たちの仲裁で収まったが、しかしこの諍いはくすぶり続け、火曜日〔1月15日〕の夜に彼らが行事から帰宅する際、両者の間で再び喧嘩が起こった。このときは年長者たちの仲裁も効果がなく、喧嘩の中心となっていた一人の前科のある若者が、19歳の「モフセン」という名の若者にナイフで襲いかかり、彼を何度も切りつけたという。この事件の後、血まみれの負傷者が病院に運ばれたが、彼はその途中で命を落とした。これにより、捜査官らが出動し、容疑者の捜索が始まった。

 その後被害者の遺体は、エスファハーン検察庁で同日当直に当たっていた判事の指示によって法医学の専門家のもとに搬送、さらに刑事検察庁の予審判事によって、逃亡した犯人に対する逮捕命令が発出されている。



訳注1:モハッラム月1日(今年は1月10日にあたる)に始まる哀悼行事では、第3代イマーム・ホセインとその一行が戦場で悲劇的な殉教を遂げたことを悼み、鎖で自らの背を叩く(ザンジール・ザニー)、手で胸を叩くなどの所作を伴いながら行進を行い、ホセインとその一行が味わった苦痛を追体験するという趣旨の儀式が行われる。このような所作において、時に上半身をはだけて刃の付いた鎖で背中を叩いたり、短剣で額を突いたりする(ガメ・ザニー)といった流血を伴う危険な行為が行われることがあり、イラン政府はこのような行為を禁止している。

訳注2:哀悼行事はモハッラム月1日から10日間にわたって行われる。そのクライマックスはイマーム・ホセインの殉教日であるモハッラム月10日(アーシューラー)であり、その前日のモハッラム月9日をタースーアーという。

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( 翻訳者:佐藤成実 )
( 記事ID:12946 )