エジプトの人権状況を批判したEU決議への対応策を外務省が検討中
2008年01月19日付 Al-Ahram 紙

■ エジプト外務省、欧州議会の決定への対応策を検討
■ エジプト、ヨーロッパにおける移民やムスリムに対する差別の蔓延を憂慮

2007年01月19日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

 一昨日の欧州議会でかろうじて過半数を得て採決された、エジプトでの人権状況を批判する内容の決議への複数の対応策を、エジプト外務省が検討し始めた。

外務省の公式報道官によると、決議には拘束力がなく、経済制裁も含まれないとはいえ、欧州議会側からエジプト内政問題への明白な干渉であり、これを断固拒絶するというエジプトの立場を表明する方策について、アフマド・アブルゲイト外相に向けた複数の提案を外務省が準備した。その中には今月23、24の2日間に予定されているエジプト-EU間政治協議担当者委員会の開催取り消しも含まれているという。同報道官は、決議がエジプト-ガザ国境のトンネル問題を含んでいたことに驚きを示し、「真の動機についての疑念を引き起こすものだ」と述べた。

これに対しエジプト外務省が発した公式声明では、ヨーロッパにおける宗教的・人種的マイノリティや移民の権利状況の悪化に対する、エジプトの深い憂慮が示された。この声明は、ヨーロッパのムスリムが教育や住居の面で差別され、テロリストや過激派と表象されていると記した欧州安全保障協力機構の報告に基づいている。

 また人民議会の公式情報によれば、欧州議会のハンス・ゲルト・ペテリング議長がファトヒー・スルール人民議会議長との電話会談で、欧州・地中海議会の会合にエジプトも参加するよう求めたという。他方、イギリス自由民主党の議員であり、欧州議会の院内会派「欧州自由民主同盟」の報道官を務めるグラハム・ワトソン代表は、欧州議会はEU諸国を含め、あらゆる地での人権侵害に関する諸決定を承認していると指摘した。

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( 翻訳者:平寛多朗 )
( 記事ID:12965 )