■ アラブ諸国外相の一致による決議、シリアも合意 ラーリージャーニー氏およびカタール首相のシリア政府との協議受けて
■ スレイマーン司令官の即時選出、政府内における決定への影響権を共和国大統領に
■ ムーサー事務局長が水曜日にベイルートへ 多数派勢力は歓迎、反対派勢力は条件提示
2008年01月06日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
今日開催される予定の臨時会合を前に、アラブ諸国外相の決議が昨夕カイロで発表されるという、顕著な意味合いをもつ動きがあった。決議はミシェル・スレイマーン国軍司令官を「直ちに大統領に選出」し、共和国大統領が「決定への影響権」を有する挙国一致内閣を樹立するよう呼びかけるものである。
この展開に先立って、サウジアラビア外相であるサウード・アル=ファイサル王子、シリアのワリード・アル=ムアッリム外相、エジプトのアフマド・アブルゲイト外相、アラブ連盟のアムル・ムーサー事務局長ほか、複数の主要な閣僚が出席した会合が開かれていた。
■ セニョーラ首相は歓迎
ムーサー事務局長はフアード・アル=セニョーラ首相と電話会談を行い、会談の雰囲気について知らせた。セニョーラ首相は決議とその内容の重要性に対して「全面的な歓迎」を示し、「この文言の解釈の責任を負うのはアラブ連盟である」と述べ、「政府は決議の実施を全面的に支援する用意がある」と表明した。
ターリク・ミトリー外相代行は会合の出席者らに対して、「決議についてのレバノン政府の理解では、直ちに共和国大統領を憲法の規定に基づいて選出したうえで、憲法の規定に基づいて挙国一致内閣が結成される。多数派勢力は決定を強制する権限をもたず、その代わりに反対派勢力は決定を無効化する権限をもたない。特に重要な決定についてはそうである。そして両者の間のバランスを維持するための投票権を共和国大統領がもつことになる」と語った。
■ 多数派勢力
本紙の得た情報によると、決議の公式な発表に備えて昨日、多数派勢力と反対派勢力の双方を含めての協議がカイロとベイルートの間で行われた。多数派勢力の関係者らはこの「前向きな成果」に安堵を表明し、この成果は「憲法に則ってバランスのとれた解決に向けたよい入り口」であると述べた。そして、「可能な限り早い時期に、望むらくは議員らが呼びかけた今月12日か、その前までに大統領を選出する」よう呼びかけた。
ナビーフ・ビッリー国会議長の関係者らが述べたところによると、ビッリー議長は夜にムーサー事務局長から電話連絡を受けた。同筋によると、アラブ連盟の代表団が水曜日にカイロでの合意をフォローアップするためにベイルートに到着するとのことだ。
■ 反対派勢力
カイロで伝えられているところによると、次期内閣で閣僚ポストを親政府勢力、反対派勢力、共和国大統領の間で三等分する方法が取り沙汰されているとのことで、ヒズブッラーの関係者らもベイルートで似たような立場を表明しているという。
夜にはミシェル・アウン議員率いる「自由愛国潮流」の幹部であるジュブラーン・バースィール氏が、「共和国大統領にバランスをとるための投票権を与えるならば、アウン中将が先にも提案したように、憲法においてその規則が確立されなければならない」と述べた。
■ 合意の5項目
昨日合意がなされた決議の内容は本日カイロで公表されることになっており、以下の5項目を含んでいる
1.レバノンの全勢力がミシェル・スレイマーン中将を共和国大統領候補とすることに合意したことを歓迎し、直ちに選出するよう呼びかける。
2.レバノン憲法に従って大統領を選挙した後には、新しいレバノン政府を樹立する。
3.議会選挙のための新しい法律の制定に努める。
4.アラブ連盟事務局長に、本決議の項目が実施されるためのフォローアップを委任する。
5.アラブ諸国の活動の成果を評価し、必要な立場の表明のため2008年01月27日に次回会議を開催する。
(後略)
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( 翻訳者:新谷美央 )
( 記事ID:12990 )