スカーフを「あごの下で結ぶ」とは、どういう状態か? 様々な解釈が可能
2008年01月30日付 Milliyet 紙

イスラーム風スカーフに関する「あごの下で結ぶ」という表現が、議論の的となっている。チチェキ首相補佐官は「アナトリア風です」と言い、民族主義者行動党のバル議員は蝶結びであると説明し、パチャジュ議員はこの点で曖昧さがあると述べた。

公正発展党(AKP)と民族主義者行動党(MHP)が、高等教育機構法規の追加条項、第17条で「あごの下で結ぶ」と表したスカーフの被り方には曖昧さが生じている。
スカーフをあごの下で蝶結びにするかどうかがはっきりしない一方で、公正発展党のグループ長代理ベキル・ボズダー議員は、被り方の解釈はしないつもりだと述べた。ジェミル・チチェキ首相補佐官は、「アナトリア風のことです。(アナトリア地方の)女性たちの被り方と同じになります」と述べた。
公正発展党と民族主義者行動党が一昨日の深夜、合意した会談では、スカーフの被り方も議論された。

民族主義者行動党は、スカーフの定義をしっかりと明記する必要があるとし、「外見や服装表現を個々が自分勝手に解釈すべきではないのです。チャルシャフ(女性の頭から足までを覆う外衣)や、ヴェールをつけて大学構内に入ることの無いように、明確に示すべきです」と述べた。民族主義者行動党は、スカーフの結び方が政治的に利用されかねないことに触れ、「あごの下で結ぶという表現を必ず文章に入れるべき」と意見を述べた。


■チチェキ首相補佐官「アナトリア風」

この会談では、共和人民党(CHP)がスカーフ問題を政治的に利用しかねないことも議論もされた。「共和人民党は、アナトリア風の被り方を主張しています。アナトリアのムスリムという概念に言及しています。スカーフの定義をそのようにして、共和人民党にこの問題を政治利用させないようにしましょう」と検討された。
民族主義者行動党の議員たちは、アナトリアの女性がするあごの下で結ぶという被り方が最も適した解決策であると主張した。公正発展党もこの意見を肯定的に捉え、「スカーフは、その人の顔が見え、誰であるかが分かるような状態で、あごの下で結ぶ」という表現で合意に至った。
「あごの下で結ぶ」という条件が文章に入っているにも関わらず、これがどのような結び方であるのかは明らかにされなかった。チチェキ首相補佐官は、この問題に対する質問に、「アナトリア風の結び方です。『(アナトリア地方の)女性たちはこんなふうに被っています」と言われますよね。まさにそのような結び方のことを指しているのです」と返答した。

会談に参加した公正発展党のグループ長代理、ベキル・ボズダー議員も、差し出されたスカーフの結び方の写真を見ながら、「あごの下で結ぶとはどのような状態を指すのかについて解釈をするつもりはありません」と述べた。
ボズダー議員は、「条文の中で、『あごの下』と明記しました。それはこういう形もありうるし、また違った形もありうるというようなことを議論することは無意味です。21世紀にもなって我々はまだ形について議論をしているのです。この議論を終わりにしましょうよ。スカーフの被り方は、勝手気ままなかたちではなく、条文で定義されたかたちとなります。アナトリア風だとか別の被り方だとかそんなことで議論することはやめましょう」と話した。

■学長に判断を委ねることも可能

民族主義者行動党事務局長のジハン・パチャジュ議員は、スカーフの定義を条文に加えたにもかかわらず、あごの下で結ぶということがどんな結び方になるのかについては曖昧なままであると述べた。パチャジュ議員は、「あごの下で蝶結びをするのですか?それともあごの下で巻いてスカーフを被るのですか?この点が明らかにされていません。ただしこの問題は大学側に委ねることもできます。各大学の学長が集まって、スカーフの結び方を決め、学生たちはこれに基づいてスカーフを被って通学するのです」と述べた。

会談に参加した民族主義者行動党のファルク・バル副党首も、草案の条文に記されているあごの下で結ぶという表現は、 「三角に折ったスカーフの両端をあごの下で蝶結びにする」と理解されるべきであると主張した。バル副党首は、「これは我々の母親や姉妹たちが今日までしてきた被り方です」と語った。
民族主義者行動党のグループ長代理メフメト・シャンドゥル議員も、「あごの下で結ぶという被り方は、我々の母親や姉妹たちがアナトリアで被っているかたちです」 と話した。

公正発展党のために新憲法草案を準備した委員会の長であるエルグン・オズブドゥン教授の解釈は、今回提案された変更により、「チャルシャフ(訳注:女性の頭から足までを覆う外衣)を着用した人々」も学校構内に入ることができるというものである。


チャルシャフ・・・女性の頭から足までを覆う外衣。

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( 翻訳者:田辺朋子 )
( 記事ID:13008 )