イラク情勢、モースルの治安プラン
2008年01月29日付 al-Sabah al-Jadid 紙

■ モースルの軍事作戦、近々始動
■ シリアとの国境閉鎖の可能性

2008年01月29日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HP1面

【バグダード:イラクの声通信】

防衛省報道官は、ニネヴェ県における対アル=カーイダ軍事作戦開始の用意が整ったと発表した。同県南西地区では、軍備増強を示す戦車および航空機の到着が目撃されている。ムハンマド・アル=アスカリー准将によれば、日曜(27日)にイラク治安部隊前衛をモースルに派遣しており、来る数日間にさらに増員される。戦車部隊空挺部隊等は既に到着しており、対アル=カーイダ治安作戦を開始する用意がある。作戦開始の期日決定は現場の各司令部に一任されている。

アル=カーイダ要員が近隣の各県へ逃亡した可能性について同少将は、「イラク軍ヘリによる空中からの監視も行われる予定であり、それぞれの県においてもモースルから脱出しようとする民兵は拘束する用意がある」、「イラク側で緊急に講じようとしている手段が幾つかあり、その中にはシリアとの国境閉鎖という選択肢もある。それにより同県への出入は完全に抑えられる」と述べた。同少将によれば、イラク軍と警察から成る治安部隊が作戦実行を担い、地元の「覚醒」部隊、部族集団、多国籍軍が援護に回る。

月曜(28日)、ニネヴェの作戦司令部報道官は、モースル東南で米軍と民兵の間で戦闘が発生したと伝えた。ハーリド・アブドッシタール中佐によれば、米軍が単独でモースル東南のソーマル地区を包囲し、地元民兵との間で戦闘になった。民間人3名が負傷して病院へ運ばれたが、内1名は民兵の疑いがあり監視を付けている。

他方、「合意」派のヌールッディーン・アル=ヒヤーリー議員によれば、月曜イラク国会は、死者36名負傷者169名を出したモースルのアル=ザンジーリー爆破事件の犠牲者支援のため、先に定められた1億ディナールではなく3億ディナールを充当する事とした。援助物資をモースルへ運び配給するため現地出身議員による代表団が作られ、この代表団とニネヴェ県行政責任者らで、同県における治安や公共サービスの現状に関する協議が行われる事になる。

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( 翻訳者:十倉桐子 )
( 記事ID:13014 )