【政治部】司法権報道官は、メフラーバード空港の元税関職員4名に対して、死刑判決が下されたことを明らかにした。
イラン学生通信(ISNA)の報道によると、アリー・レザー・ジャムシーディー報道官は、「行政上の腐敗、贈収賄や《経済システムへの混乱》をはじめとする経済犯罪、及びその他の罪で、元税関職員3名と元手数料徴収係の職員1名の計4名に対し死刑が言い渡された。そのうち、元手数料徴収係の職員に対する判決はすでに執行された」と語った。
ジャムシーディー報道官はその上で、「その他3名は現在刑務所におり、一段階の減刑(終身刑)を求めている。この件については現在検討中である」と付け加えた。
同報道官は、経済犯への死刑判決にはこれまでどのような事例があるかとの質問に対しては、「経済犯に対して死刑という刑罰を科すのは、例外的だ。国の通貨秩序を混乱せしめたとの容疑が必要だ」と回答した。
〔中略〕
司法権報道官はまた、シーラーズでバハーイー教徒〔※〕らが逮捕・起訴されたことについて、次のように明かした。「〔今回逮捕・起訴された〕これらの人々は約54名で、体制に敵対的なプロパガンダ活動をしていた。主犯格の第1級から第3級までの被告には禁錮4年の刑が言い渡され、現在刑期を務めているところである。第4級以降の被告には禁錮1年の刑が言い渡され、彼らへの禁固刑は執行猶予中である」。
ジャムシーディー報道官はまた、現在刑務所に収監されている学生たちの数について、「計19名の学生が現在刑務所に収監されている。そのうち8名は、近々司法命令によって釈放される予定である」と述べた。
〔中略〕
ジャムシーディー報道官は、残念なことに司法機関にもたらされる訴訟の数が近年増加傾向にあると述べた上で、次のように呼びかけた。「小切手や土地所有、麻薬、家族間の争いなどに関する一部の法律をめぐって、700万件以上の訴訟・裁判が起こされた。このことに関し国民にお願いしたいのは、司法機関がもっと重大な問題に集中できるよう、些細な争いで司法に訴えることは控えていただきたい、ということである。われわれが望むのは、司法が〔些細な事柄にかかずらうのではなく〕自ら本来の職務に全力を傾注することである」。
※訳注:バハーイー教は19世紀にイスラーム教から分派する形で生まれた新興宗教。イスラームでは預言者ムハンマドは最後の預言者とされていることから、新たな預言者を宗祖とするバハーイー教はイスラーム教にとって異端の宗教であり、イスラームの宗教指導者らによって、バハーイー教徒はつねに外国の手先として攻撃の対象とされてきた。イスラーム共和国憲法ではゾロアスター教徒やキリスト教徒、ユダヤ教徒の存在は認められているが、バハーイー教徒は認められていない。しかし今もイラン国内にはかなりの数のバハーイー教徒が存在していると言われている。バハーイー教の総本山はイスラエル・ハイファにある。
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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:13035 )