イラク治安情勢、バグダードの自殺攻撃等
2008年02月02日付 al-Quds al-Arabi 紙
■ バグダードの治安再び悪化、二箇所の自殺攻撃により死者64名
■ サドル派は休戦延長
■ ファッルージャの通行再開
2008年02月02日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
【バグダード:ハーニー・アーシュール(本紙)】
バグダードでは、昨年の治安計画(法の執行)開始以来最も深刻な爆破事件が発生した。モースルで始まった軍事作戦にもかかわらず治安情勢は悪化している。
「法の執行」報道官、カーシム・アル=ムーサウィー中尉の発表によれば、二箇所で起きた爆発のため死者64名、負傷者176名がでた。爆発物を体に巻きつけた女性の自殺攻撃者2名が、スーク・アル=ガザルとバグダード・アル=ジャディーダを各々攻撃した。犯人のうち1人はイラク国籍ではないことが確認されている。
現場のイラク軍将校の話では、現地時間午前10時に作戦を実行した自殺攻撃者には知的障害があった。また、治安筋によれば、バグダード・アル=ジャディーダ地区の市場を狙って同時刻に起きた爆発により、約20名が死亡、数十名が負傷した。市場は庶民に人気の巨大なもので、爆発は家畜や鳥類を扱う市の付近で発生した。
犠牲者は、イブン・アル=ナフィース、アル=キンディー、マディーナ・アル=ティッブの3つの病院へ運ばれた。アル=キンディー病院は、二箇所の爆発の犠牲者として、死者34名、負傷者43名を受入れたと発表している。そのほとんどが若者であり、また、損傷が激しく身元を確定できない遺体が少なくとも15名分ある。イブン・アル=ナフィース病院は、バグダード・アル=ジャディーダの犠牲者として死者6名、負傷者25名以上を収容した。マディーナ・アルーティッブに運び込まれた犠牲者数は明らかになっていない。犠牲者の遺体に売り物であった鳥類の死骸が混ざっている、スーク・アル=ガザルは血まみれである等の話が伝えられている。
金曜(1日)米軍将校は、シーア派宗教人として実力を有するムクタダー・アル=サドルが、国内の暴力事件の減少に貢献している休戦をおそらく延長するだろうと述べた。
駐イラク多国籍軍参謀長を務めるジョゼフ・アンダーソン准将によれば、昨年8月サドルが配下のマフディ軍団に6ヶ月間の活動停止を命じた事は、バグダード及び他地域における治安改善に役立った。サドル派がこの点に協力的なのは明らかであり、多国籍軍側は、これについては現状維持を希望している。
金曜午後イラク警察は、ファッルージャの人や車に課していた通行禁止措置を解除し、同時に同市へ出入する三つの道路を開放した。木曜(1月31日)にアメリカの車両が爆破されたため、部分的に行われた外出禁止措置が金曜午前にはファッルージャ全市に布かれ、外部との通行路は遮断されていた。
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( 翻訳者:十倉桐子 )
( 記事ID:13036 )