トルコで15の企業が参入しているヘリコプター・タクシー業界の価格は1500ユーロ(約23万円)から。2010年までにトルコにおける登録ヘリコプターの数は、90を越えると見込まれている。

　トルコ全土で約500人のビジネスマンが、工場、自宅、会議へと空のタクシー、ヘリコプターで移動し始めた。料金は一時間1500ユーロからで、年間約1000万YTL(約8億7千万円)を払う会社社長達は、新たに投資を行う地域を空から観察している。トルコで15の企業が参入しているこのヘリコプター・タクシー業界は、いま急速に成長している。

　エサス・ホールディングの子会社メダイルの販売・マーケティングディレクター、エムレ・ユルドゥズさんは、トルコで民間の飛行用に32のヘリコプターが登録されていると説明し、「この業界は急速に成長しています。2010年までにトルコで登録ヘリコプターの数は90に達しますね」と語った。

　エムレ・ユルドゥズさんは、メダイル社が空のタクシーサービスを2006年に始めたとし、ビジネスマン達がこのサービスに大きな関心を示していると明らかにした。彼は業界がここ数年急速な拡大傾向にあると説明し、次のように続けた：

「社長さんたちは総じて仕事に間に合うよう空のタクシーを使っています。というのも、工場はふつう郊外にありますから。交通渋滞の問題も深刻化してきています。時間を渋滞で無駄にしたくないビジネスマンたちに、このサービスを有効活用しているのです。夏にはアンタリヤやボドルムのような場所へ行くのに使い、冬には一般に産業集約地域を視察しています。料金は1時間1500ユーロからです。」

■ 25分でウルダーへ

　さらにユルドゥズさんは、ヘリコプターは数年前からツアー目的で使われ出したと語り、メダイル社が新しいサービスの一環として、金曜と日曜に、イスタンブル－ブルサのウルダー（山）間で定期的なヘリコプター便の運航を始めたと教えてくれた。6人乗りのヘリコプターで25分かかるツアーは片道で、料金は一人当たり299ユーロ(約4万6千円)【付加価値税は除く】。「この他にも特にボスフォラス・ツアーを数多く運航し始めました。一人当たり99ユーロで20分間のものです。バレンタインデーにはこれがプレゼントとして特別運航される予定で，約60組のカップルがイスタンブルの空を旅していると思いますよ。」

　ユルドゥズさんによると、メダイル社は2機のヘリコプターを所有し、空の救急車としてもサービスを行っている。「特に交通に問題がある地域で生じた事故では、我々はヘリコプターのサービスを行っています。」

■ ロシアの石油王がアナトリアを10万ドル(約1068万円)で旅行

　以前ロシアの石油王が10万ドルでレンタルしたヘリコプターで、トルコ全土を旅行したことがある。ユルドゥズさんは言う：「このリッチなビジネスマンはイスタンブルを観光し、それからアナトリア・ツアーに出ました。ヘリコプターで10万ドルのアナトリア・ツアーをやったのです。」

　空のタクシー業界発展のためにヘリポートが必要だと強調するユルドゥズさん。「イスタンブルには100のヘリポートがあります。でもそのほとんどが整備不良のために使えないのです。」

　彼は自治体がこの問題に対処していることに注目している。「各自治体をはじめとして、ホテルやホールディングのビルでもヘリポートを作り始めています。1つのヘリポートの建設費は5‐7万YTL(約430－610万円)くらいです。飛行場が増えるにつれ、空のタクシーサービスも拡大するでしょう。」

　ヘリコプターはイスタンブルで写真やテレビの撮影でも頻繁に使われるようになってきた。「カタログ作成や番組制作でも空からイスタンブルを撮ることが大変関心を呼ぶものになってきました」とユルドゥズさんは話してくれた。

Tweet

現地の新聞はこちら

　同じジャンルの記事を見る

（ 翻訳者:杉田直子 ）
（ 記事ID:13091 )