スカーフ問題で注目は、憲法裁判所の審判団に
2008年02月12日付 Milliyet 紙

共和人民党(CHP)が、大学でスカーフ着用禁止撤廃に関する憲法改正に反対し、異議を申し立てた憲法裁判所は、昨年の大統領選においてギュル氏が大統領となることを妨害した「大統領選の定足数367は必須である」との決定を下している。

大学でのスカーフ着用禁止撤廃に関する憲法改正案がトルコ大国民議会(TBMM)を通過し、共和人民党がこの憲法改正の是非を憲法裁判所に持ち込むことが明らかになり、注目は再び上級裁判所(憲法裁判所)に向けられることとなった。7月22日の総選挙前に「大統領選の定足数367は必須である」との決定を下し、アブドゥッラ-・ギュル氏がその時の投票で大統領に選出されることを妨害した憲法裁判所裁判官の大部分は、アフメト・ネジュデト第十代大統領によって任命された人々である。
重要な決定を下す憲法裁判所の11人の常任裁判官のうち7人と4人の予備裁判官の全員がセゼル前大統領によって任命されている。憲法裁判所のベテラン裁判官は、公正発展党(AKP)の母体とされる福祉党や美徳党の解散に関係する審理で票を投じた人々である。2つの政党の解散において、(これら政党の)「スカーフ着用禁止撤廃に向けての企て」が重要な(解散決定の)理由となった。これらの審理で、ハシム・クルチ憲法裁判所所長とサジト・アダル裁判官はこれら政党の解散に反対を示した。ベテラン裁判官のひとり、フリヤ・カンタルジオール裁判官はこの二つの審理で政党の解散に対して賛成した。
「7月22日総選挙実施」のきっかけとなった大統領選危機のプロセスにおいても、憲法裁判所が重要な役割を果たした。憲法裁判所が「大統領選挙の第一回投票で367人の国会議員の出席が必要である」と判決を下していたのだ。
裁判所は、この見解に沿って、アブドゥッラー・ギュル氏が候補者となった大統領選挙を「第一回投票に367人の国会議員が参加してない」ことを理由に、無効と判断している。この決定に再度クルチ裁判官とアダル裁判官が反対していた。

■ 唯一の交替
決定は、憲法裁判所の権限を超えた主張のために大変な議論を巻き起こした。ギュル氏は公正発展党が7月22日の総選挙で47パーセントの票を獲得し再び政権を獲得し、トルコ大国民議会に議席を獲得した民族主義者行動党(MHP)の支持で大統領に選出されることができた。「定足数367」の決定を下した裁判団のうち、憲法裁判所裁判官を定年で退任したトゥライ・トゥジュ元裁判所所長だけがかわっている。トゥジュ氏の代わりに、再びセゼル第10代大統領によって行政裁判所メンバーのアイラ・ペルクタシュ氏が任命されている。

■憲法裁判所のメンバー
歴史上最も重要な判決の一つを下す上級裁判所(憲法裁判所)の裁判官らは、セゼル前大統領によって指名されている。憲法裁判所のメンバーと残りの在任期間は以下のとおりである。

ハシム・クリチ憲法裁判所所長
1950年生まれ。オザル元大統領によって1960年に政府会計局から現職へ任命された。残り7年の任期。

ベキリ・オスマン・パクスュト憲法裁判所副所長
1953年生まれ。上級行政官からの割り当て制度によってセゼル前大統領により任命された。11年の任期。

サジト・アダル裁判官
1945年生まれ。オザル元大統領によって「上級行政官と弁護士」からの割り当て制度によって1993年に選出された。残り2年の任期。

フリヤ・カンタルジオール裁判官
1948年生まれ。スレイマン・デミレル元大統領によって1995年に行政裁判所割り当て制度により任命された。残り5年の任期。

アフメト・アクラルチン裁判官
1949年生まれ。セゼル前大統領によって最高裁判所割り当て制度によって2000年によって選出された。残り6年の任期。

メフメト・エルテン裁判官
1946年生まれ。アフメト・ネジュデト・セゼル前大統領によって最高裁判所から2000年に選ばれた。残り6年の任期

セルダル・オズギュルドゥル裁判官
1955年生まれ。セゼル大統領によって軍事高等裁判所割り当て制度によって任命された。残り12年の任期。

アブドゥッラー・ネジミ・オズレル裁判官
1945年生まれ。セゼル前大統領によって軍事最高裁判所から2004年に任命された。残り2年の任期。

セブケト・アパラク裁判官
1945年生まれ。セゼル大統領によって行政裁判所から2005年に任命された。残り2年の任期。

セッルフ・カレリ裁判官
1954年生まれ。セゼル前大統領によって弁護士割り当て制度により2005年に選出された。以前は民主左派党に所属。残り11年の任期。

アイラ・ペルクタシュ裁判官
1949年生まれ。アフメト・ネジュデト・セゼル前大統領によって行政裁判所から2007年に任命された。残り6年の任期。

ムスタファ・ユルドゥルム予備裁判官
1945年生まれ。セゼル前大統領によってマラトゥヤ県知事時代の2003年に選出された。残り2年の任期。

ジャフェル・シャト予備裁判官
1945年生まれ。アフメト・ネジュデト・セゼル前大統領によって最高裁判所から2003年に予備裁判官に選出された。残り2年の任期。

アリ・ギュゼル予備裁判官
1943年生まれ。アフメト・ネジュデト・セゼル前大統領によって最高裁判所から2004年に予備裁判官に選出された。残り1年の任期。
フェッタフ・オト予備裁判官
1946年生まれ。セゼル前大統領によって行政裁判所割り当て制度により選出された。残り3年の任期。

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( 翻訳者:大田垣綾子 )
( 記事ID:13112 )