ムバーラク大統領が通行所管理問題をめぐってアッバース大統領と協議、ハマースもカイロに訪問団を派遣
2008年01月31日付 Al-Ahram 紙

■ ムバーラク大統領、パレスチナ情勢の進展についてアッバース大統領と協議、ガザ国境管理のため閣議を招集
■ ムバーラク大統領との会談後にアッバース大統領:「我々と共にあるとするムバーラク大統領の姿勢は、全パレスチナ国民の尊敬を集めた」
■ 「5者協定が実施されるならば、通行所を引き継ぐ準備はできている」
■ 「我々はエジプト治安部隊への暴力行為を非難し、逸脱した行動を否定する」
■ ザッハール氏がカイロを訪問、ハマースは政権への通行所引渡しを拒否

2008年01月31日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

ラファハ通行所で起きた最近の事件後のエジプト・パレスチナ間国境管理問題に加え、パレスチナ国民の苦痛の軽減と、ファタハとハマース間の国民和解の実現に向けた努力をエジプトが強めている。昨日、ホスニー・ムバーラク大統領は、パレスチナ地域の最新情勢、特にエジプト・パレスチナ国境地域の状況を話し合うため現在エジプトを訪問しているパレスチナ自治政府大統領と面会した。

ムバーラク大統領は一方で、エジプト・ガザ国境の管理とガザ地区のパレスチナ人への人道支援の簡易化について話し合うため、大統領官邸にて閣議を開き、フセイン・タンターウィー国防・軍需生産相、アフマド・アブルゲイト外相、ハビーブ・アル=アーディリー内相、ウマル・スレイマーン情報長官、マムドゥーフ・ジャバル前保健相・エジプト赤新月社事務総長、ザカリヤ・アズミー官房長官らが出席した。

パレスチナのアッバース大統領は、イスラエル側との会談の成果と交渉内容についてムバーラク大統領と話し合ったと語り、ムバーラク大統領との会談後に行われた会見では、「会談ではエジプト・パレスチナ間協力、ガザ地区に対するイスラエルの封鎖とその結果生じたエジプト国境の越境問題、対パレスチナ支援に関するムバーラク大統領の明確な姿勢などが話し合われた」と明らかにした。

アッバース大統領は、「エジプト側がとった措置は、全パレスチナ国民からの尊敬を集めた」と語り、パレスチナ人によって行われたエジプトの治安部隊およびその所有物への侵害行為を強く非難した。そして「中でも最も不適切だったのは、パレスチナ人がエジプト側の建物にパレスチナ国旗を掲げようとした、または実際に掲げたことであり、これは決して許されることではない」と語った。

大統領はまた、パレスチナ自治政府とエジプト、イスラエル、アメリカ、欧州連合の間で結ばれたいわゆる5者協定が実施されることを条件に、自治政府には通行所の管理を引き受ける用意があると明言した。そして、「ムバーラク大統領は、ファタハとハマースとのパレスチナ間対話を呼びかけた」と発言し、「我々はこの提案を幾度となく歓迎してきた。しかしまずはハマースがクーデターを取り下げ、合法性を遵守し、すべての義務を履行し、早急な選挙の実行を受け入れるべきである。そうして初めて心も理性も対話を受け入れられるようになる」と付け加えた。

また現在、ハマースがカイロを訪問し、通行所問題について新しい合意の成立を望んでいると言われている件に対するコメントとしては、「我々はいかなる新しい合意も受け入れない。我々は、我々自身がパレスチナ自治政府としてエジプトを含む4者との間で既に調印した国際協定に従う義務がある」と語った。

同時にアッバース大統領は「我々はパレスチナ国民の利益を望んでいる。もしハマースもパレスチナ国民の利益を望むのならば、彼らもまたパレスチナ国民の利益を保証するこうした義務を果たさなければならない」と語った。

さらに、PFLP(パレスチナ解放人民戦線)がハマースと自治政府による通行所の共同管理を提案したことに対しては、「ハマース政権と自治政府の二つがあるのではない。あるのは一つのパレスチナ政府のみである。我々以外に合法政権は無く、ハマースはクーデター勢力に過ぎない。非合法勢力を受け入れ、それと対話するなどという政権は、世界に存在しない」と語った。

他方、ハマースの有力指導者であるマフムード・ザッハール氏率いるハマースの代表団が、ガザ地区で起きた事件以後のラファハの通行所の状況についてエジプト政府高官と話し合うために、昨日、カイロ入りした。ハマースはアッバース大統領率いる自治政府への通行所管理権の移譲を拒否する姿勢を繰り返し強調した。

Tweet
シェア


現地の新聞はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:梶田知子 )
( 記事ID:13116 )