ガザ産ロケット弾がイスラエルとエジプト領内に着弾、ハマースはヨルダンからの支援物資を強奪
2008年02月09日付 al-Quds al-Arabi 紙
■ 抵抗運動がイスラエルに対し17発のロケット弾を発射、一部は目標を誤りエジプト領内へ着弾
■ ヨルダン、ハマースが支援物資を強奪したと非難
2008年02月09日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
【アンマン:本紙、バッサーム・バダーリーン、アリーシュ:AFP】
金曜日、パレスチナの武装組織がガザ地区からイスラエルに向けて17発のロケット弾を発射したが、イスラエル軍事筋の伝えたところでは犠牲者は出なかった模様。
同じ筋によれば、現地で作られたと見られる11発のロケット弾がイスラエル領内に到達、そのうち5発がスデロット、残りはアシュケロン市南方の荒地に着弾し、物的被害が出ているという。またそれ以外の6発のミサイルについては着弾地点が不明であり、ガザ地区内に着弾した可能性が高い。
昨年6月からガザ地区を支配しているハマースとイスラミック・ジハードがそれぞれロケット弾発射の実行声明を出している。
金曜日にエジプトの治安関係筋は、木曜晩にイスラエル国境近くのエジプト領にパレスチナのロケット弾が着弾したが被害は出なかったと明かした。同筋によれば着弾したパレスチナのロケット弾は地元で生産されたもので、エジプト-イスラエル国境から10メートルの距離にあるカラム・アブー・サーレム通行所付近の第6地点に着弾したとのことである。
一方ヨルダン政府は金曜、ヨルダンからガザ地区に送られた食糧支援のトラックがハマースに奪われ、支援物資のパレスチナ国民への配布が禁止されたと発表した。ヨルダン国営ペトラ通信が金曜に伝えたところでは、アブドッラー2世国王によりガザ地区のパレスチナ国民に物資を届けるよう命じられたヨルダンの救援車列が金曜の夕方、ハマース指揮下の執行部隊により強奪されたと伝えた。
ペトラ通信の報じたところによれば、執行部隊は支援物資を運んでいたトラックの運転手たちにルートを変更するよう命じて、解任された旧政権所属の社会問題省なる看板を掲げた倉庫に誘導、そこで積み荷を降ろさせたとのことである。
ヨルダンの関係筋は本紙に対し、「ヨルダンはこうした支援をハーシム王家救援機関を通じて送ってきたが、ハマースの部隊がヨルダンの支援トラックを奪い、物資の配布を拒否したのはこれで2回目だ」と語った。
他方でペトラ通信は、パレスチナ赤新月社のユーヌス・アル=ハティーブ代表がハマースに対し、パレスチナ国民に配布できるようヨルダンからの支援物資の解放を呼びかけたと伝えたが、パレスチナの政治筋はハマースが自ら支配する領地からヨルダンを締め出す方向に向かうと見ている。
ガザ駐在のヨルダン政府代表は、この支援物資をパレスチナ赤十字社へ受け渡す計画だった。
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( 翻訳者:垣平浩明 )
( 記事ID:13127 )