ハマース、ガザへの国際部隊駐留案を拒絶
2008年02月07日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ ハマースとイスラーム聖戦、いかなる国際部隊であれ占領軍とみなして対応すると脅迫
■ イスラエルがシナイ半島との国境にフェンスの建設を決定
■ キャンプ・デーヴィッド合意を修正してエジプト軍を増強させることは否定

2008年02月07日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【エルサレム、ガザ:アシュラフ・アル=ハウル、ワリード・アワド本紙記者】

 イスラエルは昨日水曜日、パレスチナ人活動家のイスラエル領内への侵入防止のために複数地区にフェンスを建設することで、エジプトとの国境線を強化すると決定した。複数の政府高官が、「イスラエル指導部は、エジプト国境警備隊の増強や国際部隊の召集によってエジプト-ガザ国境の治安を強化するという提案を拒否した」と話している。イスラエル外務省は、エジプト側が国境の兵力を1500人に増強するとの考えに合意するよう提案していた。

 ある政府高官は、イスラエルのエフード・オルメルト首相、エフード・バラク国防相、ツィピ・リブニ外相が参加した会議の後、近いうちにイスラエルはエジプトと国境を接する2地区でフェンスを建設し始めると匿名で明かした。

 強化フェンスが建設されるのは、紅海に面する保養地エイラート近郊と、約250㎞伸びるイスラエル-エジプト国境沿いのニツァーナ付近である。イスラエルのイェディオット・アハロノット紙によると、250㎞にわたる国境線に有刺鉄線によるフェンスを建設するには4億1100万ドルの費用がかかり、ヨルダン川西岸地区とイスラエルとの間に建設されたのと同様の壁を建設する場合には13億7000万ドルの費用がかかる見通し。現在、シナイ半島のエジプト-イスラエル間国境に張られているフェンスは古く、突破が可能なため、そこから多くの麻薬密輸人や不法入国者が侵入している。

 しかし今回の決定は、最近、爆破によってガザ-エジプト国境のフェンスに穴を開け、パレスチナの戦闘員(フェダーイーン)がエジプトのシナイ半島側から侵入しているのを防ぐことを特に目的としたものだ。

 他方、ハマースとイスラーム聖戦は、イスラエルが実現性を議論しているというガザ地区への多国籍軍駐留の考えに反対する姿勢を明らかにし、占領軍とみなして対応すると脅迫した。ハマースのサーミー・アブー・ズフリー報道官は昨日の声明で、「人民はすでに国際部隊の展開について、それを占領軍とみなして対応するとの意見を表明している」と述べ、占領者であるイスラエルがこうした要請をすること自体、国際部隊が新たな占領軍となる証拠だとの考えを示した。

 イスラエルのハアレツ紙は昨日、多国籍軍のガザ駐留の可能性についてイスラエルの省庁間チームが調査を始めたと報じていた。また同紙によればこのチームはこれまでに数度の審議を行い、他の問題と並んで海外とガザ地区との状況比較に時間を割いているという。

Tweet
シェア


現地の新聞はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:梶田知子 )
( 記事ID:13133 )