野党が反発 -新しく設立される区は公正発展党の選挙対策
2008年02月20日付 Milliyet 紙
42の新しい区を設立するという公正発展党の決定が反発を呼んでいる。共和人民党のエルスィン議員は、「票獲得を踏まえた作戦」と述べた。民族主義者行動党のタンルクル議員は、「善意をもって考えられた取り組みではない」と述べた。
公正発展党政権が42の新しい区を設立すると発表したことに対し、共和人民党と民族主義者行動党は反発を示した。閣議で署名の段階に入った草案によると、イスタンブルのカドゥキョイ区やイズミルのコナック区の分割が検討議題とされる一方で、新しい区が設立される県は、アダナ、アンカラ、アンタリヤ、ディヤルバクル、イスタンブル、コジャエリ、イズミル、メルスィン、サカリヤ、サムスン、エルズルム、エスキシェヒルである。
■ 野党の反発
野党の国会議員たちの反発は以下の通り。
・共和人民党のイズミル選出議員アフメト・エルスィン氏
政府のこの決定は悪意ある措置です。公正発展党は支持基盤の弱い地区を分割し、勢力を得ようとしています。第22立法期に、我々はイズミルのカラバーラルが区となるよう法案を提出しましたが、公正発展党はこの法案を棄却しました。選挙間近の時期である今になって、カラバーラルを区にしようとしています。新しい区の設立は、票獲得を踏まえた作戦だと私は思います。
・共和人民党のアダナ選出議員タジダル・セイハン氏
公正発展党は、共和人民党が選挙に勝つ可能性が高いところでこの手段に訴え、公正発展党のチャンスを増やそうと計算をしています。明らかに票の獲得競争があるのです。公正発展党は自分たちのために安全エリアをつくろうとしています。
・民族主義者行動党のイズミル選出議員アフメト・ケナン・タンルクル氏
新しい区の設立が、地方選挙まであと少しという時に決定されたことは意味深です。公正発展党は突然、ちょうど地方選挙までわずかという今日になって、新しい区の設立を始めたのです。これを善意ある取り組みと見ることは不可能です。
・民族主義者行動党のサムスン選出議員オスマン・チャクル氏
十分に討論ざれず、地域の住民にこの問題が説明されることなく、市民社会の意見が聞かれることなく、大急ぎで行われたこの取り組みは、地方選挙で優勢を確保しようとするものです。
・共和人民党のコジャエリ県代表セファ・スィルメン氏
これは違憲です。トルコも調印している欧州地方自治憲章によれば、自治体の閉鎖、新設または統合は、国民投票を前提とします。国民に問わずに行われるこのプロセスは無効であると考えます。
・イズミル広域市長で共和人民党のアズィズ・コジャオール氏
政府が政治的にこの問題にアプローチするものなのか分かりません。ふたつの区で選挙に勝とうとこれをしているのであれば、結果は変わらないと思います。どちらでも同じことです。ただし地方選挙前夜での決定は、正しいことだとは思いません。
・コナック区長で共和人民党のムザッフェル・トゥンチャー氏
今回の実施は、一般的な民主主義の理念、欧州地方自治の原則に反しています。境界線が、政治的票数に従い定められることは、分割された区にとって間違ったものとなりますし、また地区にも損害を与えます。
直近の選挙でカラバーラルとその周辺地区で公正発展党の得票数が多いということで、これを分割しているのです。公正発展党はコナック全域に接近できないことを悟ったのです。
・メフメト・ケチェジレル元国務大臣
問題となっている法改正が施行されれば、大都市への移住が急速化するでしょう。健全な統治は、生まれ育った土地で人々が幸福になれるような行政管理によって可能となるのです。今回行われた変更で、トルコは損害を被るでしょう。
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( 翻訳者:藤井庸平 )
( 記事ID:13173 )