服役囚の企画・一部出演による映画「バイラムパシャ:長居するつもりはない」が公開
2008年02月22日付 Zaman 紙

 現役の服役囚や刑務官が出演する初めての映画「バイラムパシャ:長居するつもりはない」が本日公開された。ハムディ・アルカン氏が始めて監督を試みた本作品の脚本・音楽ともに服役囚が手がけている。

 同映画は2006年6月にバイラムパシャとパシャカプスの拘置所で開始された、「夢見る自由プロジェクト」の一環で実現された「映画シナリオ」ワークショップの成果である。

 法務省協賛の「バイラムパシャ:長居するつもりはない」は、誤認逮捕され、その苦悩を伝えることができないまま、何年もの歳月を刑務所で過ごした男の人生がテーマである。既婚者で子持ちのエルデム(ヴラル・チェリキ)は理髪師として生計を立てていた。ある日近所の友人アフメト(ハカン・ユルマズ)とばったり会い、二人で喫茶店へ行く約束をした。ところがアフメトは麻薬密売者であり、彼との電話でのやり取りを聞かれてしまった。エルデムはアフメトとの共犯の疑いから麻薬取締局に拘留され、無罪を主張したが妻を含め信じてくれる者は誰一人いなかった。妻のアイシェン(ヤセミン・ジョンカ)はエルデムが刑務所に収監されたことを幼い息子アリ(オカン・タンギュジュ)には秘密にした。宇宙戦争に興味を抱くアリは、父が宇宙人から地球を守る地球防衛軍の司令官だと思い込んでいた。この宇宙戦争ゲームにいつしか監房中が巻き込まれることになる。エルデムの監房への収監はそれほど早く終わるはずなどないのに…。この映画のポスター写真は刑務所付きの軍の司令官が撮影し、バイラムパシャの現実と日々の生活を観客に紹介している。

 主要な役を演じる24人を含め100名以上の服役囚と26名の刑務官が出演するこの映画では、刑務官と服役囚だけでなく、俳優のヴラル・チェリキ、ヤセミン・ジョンカ、ハカン・ユルマズ、オカン・タンギュジュが加わった。ハリル・エルギュン、タメル・カラダール、イェシム・サルクム、サヴァッシュ・アイ、ドーア・ルトカイなどトルコの著名人が友情出演した。映画興行収入の一部は刑務所での文化・芸術活動のために利用される。

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( 翻訳者:永井ひとみ )
( 記事ID:13190 )