アラブ諸国情報相会議、衛星テレビ局規制に関するガイドラインについて協議
2008年02月11日付 al-Quds al-Arabi 紙
■ アラブ諸国情報相、衛星放送局に対する戦争を画策
2008年02月11日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
【カイロ:本紙、諸通信社】
アラブ諸国の情報相は今日カイロで始まる会議において、アラブ諸国で運営中の衛星チャンネルの活動を規制するガイドラインを検討する。これについてアナリストらは、「いくつかのチャンネルで放映されている政治討論番組における言論の自由を制限することを目標としている」と述べている。
アラブ連盟が「アラブ地域における衛星放送組織化の原則」という題名で発表したガイドラインは表現の自由を尊重することをうたっているが、「アラブ諸国の至上の利益を保護するべく、自覚と責任をもってこの自由を行使すること」を要求している。
観測筋は、「アラブ諸国の情報相が『組織化』と名付けているのは、衛星放送に対する戦争である」との見方を示し、「一部のアラブ諸国は、汚職を明らかにしたり専制や人権侵害を批判することは『至上の国家利益を害する』と考えている」と述べている。
エジプトの裁判所は昨日月曜日、警察に逮捕されていたアル=ジャジーラ・チャンネルの女性プロデューサーであるホウェイダ・ターハー・ムタワッリーに対する禁固刑の判決を取り下げた。ホウェイダ・ターハー女史は拷問に関する制作中の番組のテープを持っていた。裁判所は同女史がエジプトの国家利益を害したとして1万エジプト・ポンド(1800ドル)の罰金を課した昨年5月の再審判決を取り下げたが、国家の評判を損ねる内容の映像記録を所持し国外で放映しようとしたことに対して2万エジプト・ポンドの罰金を課した前回の判決内容は保持した。
同プロデューサーは昨年1月に、インターネット上に公開されていた拷問の事実についての本物の映像や、「事実を明らかにするため」俳優が演じた映像などの情報を番組のために収集していて逮捕された。
衛星放送組織化計画は全てのアラブ国家に対して、当局に認可された衛星チャンネル事業の組織化に関するより詳細な法律を、必要に応じて制定することを認めている。
メディア筋によれば、「エジプトとサウジアラビアは同計画を強く支持しており、アル=ジャジーラを含むいくつかのチャンネルで両国に対してしばしば行われる批判に歯止めをかけようとしている」という。エジプトとサウジアラビアの政府高官らは1996年のアル=ジャジーラの設立以来、同局で放映されている番組に何度も不満を表明してきた。アル=ジャジーラの支局は過去何年にもわたって、複数のアラブ諸国で閉鎖されたり、生中継を禁止されたりしている。
同計画は、国家の尊厳を尊重し、指導者や国民的・宗教的な象徴となっている存在に対する中傷を避けるよう求めている。また同計画はアラブ国家に対して、いずれかの衛星チャンネルが同計画ないし各国の法規定に違反した場合、チャンネルの認可の撤回や不更新、各国が適切と判断する期間にわたる業務の停止を認めている。
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( 翻訳者:平川大地 )
( 記事ID:13225 )