日本を舞台にしたイラン人身代金誘拐事件:被害者がテヘランで告訴
2008年02月25日付 E'temad-e Melli 紙

【エッテマーデ・メッリー紙】日本での人質誘拐事件の主犯格容疑者の引渡しを求めて、国際警察(国際刑事警察機構=ICPO)の捜査が行われている。

この事件では、日本のヤクザ、暴力団組員の一人が、30億リヤール(約3800万円)を身代金として要求し、イラン人男性を誘拐した。事件の詳細は、3週間前、中年(イラン人)男性が(テヘランの)空港検察局に赴き、自身が誘拐され3日間人質となっていた事を話したことで明らかになった。この中年男性は2年半前から日本のユカジ市(訳注:四日市市と思われる)にある自動車販売店で働いており、空港検察局第一支部の判事に話したところによると、「数週間前、店にいたところ数人のイラン人がやって来て、車を購入したいから私に車を見せてくれと言った。彼らに車を見せに連れて行き、車に乗ったところ、犯人らは私の手足を縛って近隣の市ナワヤ市(訳注:名古屋市と思われる)にある民家に私を運び、小さな部屋に監禁した。」

この男性は次のように続けた。「それから数時間も経たないうちに、犯人の一人が私のところにやって来て、無理矢理テヘランの家族と連絡を取り、30億リヤールを仲間の一人の口座に振り込むよう脅した。誘拐を知らされた家族は電話で身代金の支払いを約束し、テヘランにある銀行口座に要求された金を振込んだ。犯人たちは30億リヤールの振込を確認すると、私を解放した。解放後、私は告訴するためにすぐにテヘランに向かった。」

こうしてこの男性の証言を受け、捜査継続のため、同事件は空港刑事警察に送検された。捜査官らは、捜査の手始めとして、まず身代金振込先の口座番号を調べ、この口座番号が日本にいる犯行グループの一人の兄弟が所有するものであることを突き止めた。(テヘランで)出頭要請を受けた兄弟は次のように話した。「しばらく前に兄弟から、ある人に30億リヤールの貸しがあり、その人が私の口座にお金を振り込むことになっていると連絡があった」。この男性は捜査員に対し、「兄弟は私たちに、お金には手をつけるなと言った」と述べた。

真相究明のため刑事らによる捜査が続けられ、誘拐犯らは日本のヤクザ、暴力団組員であることが判明した。しかし、この間に主犯格の容疑者は、銃刀法違反および麻薬所持の容疑で日本の警察に逮捕され、禁固刑を言い渡されていた。これを受けて、国際警察との連携により、捜査継続のため、容疑者のイラン警察への引き渡しが決定した。空港検察局第一支部のモハージェリー判事の指示により、容疑者の兄弟の口座からは30億リヤールが引き出された。主犯格の逮捕で真相が明らかになるまで、現在このお金は司法局の口座で管理されている。

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( 翻訳者:米沢佳奈 )
( 記事ID:13261 )