■4年ぶりとなる西エルサレムでの軍事作戦をうけ、西岸全域が封鎖
■攻撃実行犯がエルサレム市民であった点をイスラエル側は危惧
■イスラエルでは「アラブ人に死を!」の呼び声
■リビアが安保理での非難決議採択を阻止
2008年03月08日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
【占領下エルサレム:諸通信社、ガザ:アシュラフ・アブルホウル、ニューヨーク:ターリク・ファトヒー】
イスラエル中が戦慄に覆われ、治安要員が緊急招集される中、イスラエル軍はヨルダン川西岸地区を完全に封鎖すると決定した。これは東エルサレムに住むパレスチナ人による西エルサレムのユダヤ教神学校襲撃から数時間後のことであった。学生食堂にいた学生たちを標的に自動小銃あるいはマシンガンが発砲されたこの事件では、学生8人が死亡し、他35人が負傷した。
その後パレスチナのハマースが、4年ぶりとなるこの西エルサレムでの襲撃の実行声明を出し、ハマース幹部の一人はロイター通信に対し、じきにこの攻撃の詳細が明らかになるだろうと表明した。しかしハマースの軍事部門であるカッサーム軍団のアブー・ウベイダ報道官は、この攻撃がハマースによって行われたことを否定した。
イスラエル側とパレスチナ側の情報筋によれば、西エルサレムのメルカズ・ハラフ・タルムード学院襲撃の実行犯はアラー・ハーシム・アブードゥヘイム(25歳)、東エルサレムのジャバル・アル=ムカッビル地区の住民で、かつて当学院で働いていたことがあるという。この地区の住民は自由にイスラエル国内を移動できる身分証(ID)を取得できる。
イスラエル警察はこの攻撃の実行犯の父親を含む親戚10名以上をすでに逮捕している。ユダヤ教神学校での犠牲者の葬儀には数千人のイスラエル人が参加して「アラブ人に死を!」と叫んだのに対し、ガザ地区では7000人のパレスチナ人がこの襲撃を祝うデモ行進に集まり、イスラエルによるガザ攻撃の犠牲者家族のもとに立ち寄って、血の復讐が果たされたとの朗報を伝えた。
パレスチナ自治政府のマフムード・アッバース大統領はこの襲撃を非難したが、ハマースはこのユダヤ教神学校こそパレスチナ占領地の全土で入植活動を実行している過激派運動、グーシュ・エムニームを生み出した場であるとして、事件を熱烈に歓迎した。
(後略)
現地の新聞はこちら
( 翻訳者:梶原夏海 )
( 記事ID:13324 )