AKPへの解党訴訟―世界のメディアはこう伝えた
2008年03月16日付 Milliyet 紙

世界の主要な報道機関は、裁判を「政権政党の非合法化に対する着手」として位置づけた。各メディアは、公正発展党(AKP)の最近のスカーフに関し追及した政策に注目し、政教分離支持者と〔AKPが〕この問題でより一層対立したとの説明をした。

フィナンシャル・タイムズ
予期しない行動

トルコでの憲法体制の支柱である法曹界、軍部、共和国主義者の野党は、源流が政治的イスラームにまでつらなる公正発展党に不信感を抱いていた。 1990年代に裁判によって解党させられた政党の、そして政治的イスラームに基づく政党の代わりに結成された公正発展党の解党に関連するこの請求は、公正発展党にとっても、野党にとっても予期しないひとつの行動として、議論を呼んだ。政治評論家らによれば、公正発展党と政教分離の支持者らの間の緊張は、ギュルの大統領選挙の際に軍が介入し、一触即発の水準に達した。軍は、ギュルの妻が公共の場で禁止されているスカーフを着用しているという事実を、ずいぶん以前から議題に取りあげている。

ニューヨーク・タイムズ
希望なき一撃

トルコの政権政党に国民の政教分離支持者から強烈な一撃が振り下ろされた。
憲法裁判所は、政教分離に反する活動があったとして、政権政党の解党を目論んでいる。アブドルラフマン・ヤルチュンカヤ検事総長は、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相と国家の大統領のアブドゥッラー・ギュルも含む71人の公正発展党の党員らに5年間の政治活動を禁止することを請求した。エルドアンは先月、大学におけるスカーフ着用自由化決定をおこなったため、トルコの政教分離支持者をいらだたせたようだった。ヤルチュンカヤは、〔大学におけるスカーフ着用自由化は〕公正発展党の政教分離に反する行動の最たるものだと主張している。
 検事総長の請求が憲法裁判所から承認を得た場合、国民の政教分離支持者と、エルドアンや幹部がイスラームの法に対する意識の高い面々で構成されている公正発展党とが衝突する可能性がある。選挙で公正発展党に圧倒された政教分離支持者もまた、今でも支配下に置くことに成功している唯一の拠点である法曹界に傾倒している。アメリカのニューヨーク・タイムズ紙のトルコ支局長のサブリナ・タヴェルニセは、この問題の展開を伝えるニュースで、最高裁判所共和国検事総長であるアブドルラフマン・ヤルチュンカヤが公正発展党の解党のために開いた訴訟を「トルコの政教分離体制は、首相のレジェプ・タイイプ・エルドアンの政権政党である公正発展党に対して希望なき一撃を与えた」定義したことは注目される。

BBC
対立していた

トルコの検事総長は、反政教分離的活動があったという主張により、トルコの政権政党である公正発展党の解党を求めて訴訟を起こした。軍を支柱とする政教分離のエリートたちと公正発展党は、最近スカーフの解禁問題で対立していた。

アル・ジャズィーラ
強固な政教分離体制の存在

政府の検事は、トルコのもっとも高位の裁判所において、政権政党である公正発展党が政教分離原則を揺るがしたとの理由で解党を求めて訴訟を起こした。公正発展党は 2002年に政権に就いて以来、法曹界と軍人から成る政教分離体制と対立していた。EU加盟を望み、国民の大半がイスラーム教徒であるトルコだが、強固な政教分離の体制があるのである。

ドイチェ・ウェレ
夕刻の論告

アブドルラフマン・ヤルチュンカヤ検事総長の「政教分離に反する活動が頂点に達した」との主張によって、公正発展党について「解党」を要求し憲法裁判所に訴訟を起こした。ヤルチュンカヤ検事総長は、夕刻に論告を憲法裁判所長に提出した。

ル・モンド
政教分離派の怖れ

〔ル・モンド紙は〕トルコの政教分離の議論に新しい展開があったとし、トルコ国旗を振りながら政教分離主義のためにデモを行う群集の写真を紙面に掲載した。議論の中心には、政教分離支持者らの怖れがあると記した同紙は、トルコ国民の99パーセントはイスラーム教徒であるにもかかわらず、政教分離体制のもとで統治されていることを指摘した。訴訟が公表されるやいなや、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相が党を招集したことを伝える一方、このニュースはインターネットのサイトのトップページでも伝えられた。

ボイス オブ アメリカ
政局を混乱させた

週の最後の職務時間が終わった後、ヤルチュンカヤがアナトリア通信を通じて国民に伝えさせたこの訴訟は、アンカラの政局を混乱させた。エルドアン首相は、政党の関連参謀らとともに訴訟について検討するための会合を開く一方、すべての野党も訴訟のため集合した。

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( 翻訳者:岸田圭司 )
( 記事ID:13364 )