アブドゥッラー・ギュル大統領は、解党訴訟がトルコの威信を揺るがすだろうと述べた。2007年を不要な議論で失ったことに言及した同大統領は、「同じ事態を経験することは正しいことではない」と話した。
大統領は、イスラム会議機構首脳会議のため訪れたセネガルから帰国する飛行機内で新聞記者らの質問に回答した。ギュル大統領は、解党訴訟に関するある質問を受け次のように述べた。
「トルコのイメージ、トルコに向けられた信頼の継続、トルコが辿り着いた民主主義路線という観点から、そしてEU論争においてようやくここまでたどり着いたということを考えるなら、我々が直面している状況は威信を揺るがすものである。私が今いる状況を考慮するなら、論争へと向かうのは望まないが、我々は残念な状況と相対することになったと言わざるを得ない。解党訴訟のような問題は、トルコを疲弊させる。この国家を疲弊させるようなことはあってはならない。『私は自身に課された任務はこのようなものだと思っており、この観点から任務を行っている』と言うことが可能であろう。しかし、今回のような事態が『トルコに何をもたらし、トルコから何を奪うのであろう』と皆が考えることが必要だ。私の抱いている悲嘆の本源はここなのである。トルコは開かれた社会となった。今日では誰もが自身の考えを話す。未だに民主主義を完全には実現できていないとしても、この国は民主主義へと向かってかなりの距離を進んだ。私はこれらの事態全てが乗り越えられると信じている。政治家らも、他の者たちも、我々が90年代をいかに失い、いかに重要な機会を逃して、そして不安定の代償をいかに支払ってきたか、記憶を蘇らせる必要がある。国民はその時代や2000年代初頭に我々が身を置いていた状況を極めてよく記憶している。国民は、これらの事態を慎重に、穏やかな目で観察し、これらにも打ち勝つだろうと私は信じている。トルコが新たに不安定な時代へと突入することはないと信じている。皆が冷静で注意深くなり、憲法、そして諸法に沿った形で行動し、さまざまな出来事に慎重に歩み寄ることを信じている。トルコの将来には一抹の不安も抱いていない。」
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( 翻訳者:岩根匡宏 )
( 記事ID:13366 )