ロバート・フィスク記者がイラク攻撃後の5年間を総括
2008年03月15日付 Al-Ahram 紙
■ 「イラク攻撃から5年間の収穫は、1121人の自爆者とその犠牲となった1万3000人の死者および1万6000人の負傷者だ」
2008年03月15日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
【ロンドン、諸通信社】
著名なイギリス人記者ロバート・フィスクが、アメリカとイギリスのイラク攻撃から5年間の収穫は何だったのかを問う記事をまとめた。昨日のイギリスの新聞「インディペンデント」に掲載された詳細な記事においてフィスクは、「ジョージ・ブッシュ米大統領がイラク人にもたらしたのは、5年前に彼が繰り返し唱えていた“自由”などではなく、中東の歴史を通じて先例のない自爆攻撃の増加であった」と指摘している。
フィスクは「公表されている各種の報告によればイラクで自爆を実行した人間の数は1121人、1万3000人の男女や子供がそれによって命を落とし1万6000人以上が負傷した」と述べた上で、「これは極めて控えめな数字だ。なぜならその多くが、イラクの治安状況に関し悪いイメージを与えること望まない政府発表に基づいているからだ」と語る。
またフィスクは、「自爆攻撃の犠牲者数は、約50万人と見られる2003年の攻撃開始以来のイラク民間人の死傷者数の合計と比較すれば、たいして意味がないように見えるかもしれない。しかし中東の歴史において最も高い発生件数であることを考慮に入れるとするならば、中東地域の状況悪化を指し示す危険な指標となろう」と付け加えた。
フィスクは彼が言うところの“自爆文化”がイラク国境や中東の地理的範囲を越えて、攻撃から1年のうちにパキスタンとアフガニスタンの国境地帯へ広がったことに警戒を示し、「ターリバーンは以前にはこのような作戦は行っていなかったが、現在ではアフガン南部ヘルモンド地域にある西側諸国の軍事基地や首都カブールに置かれた基地でさえ、ターリバーンによる自爆という増大しつつある脅威に直面している」との見方を明らかにした。
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( 翻訳者:梅原春奈 )
( 記事ID:13371 )