イスラ-ム問題最高評議会、今年のテーマは「イスラームにおける社会の安全」
2008年03月17日付 Al-Ahram 紙

■ ムバーラク大統領、狂信やテロといったイスラームを貶めている現象を防ぎとめるよう要求
■ ムバーラク大統領、過激派の誤ったイスラ-ム解釈の危険性に注意を促す
■ 80カ国から参加のウラマーと思想家、イスラームにおける社会の安全に関する100の議題を討論

2008年03月17日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

カイロで開かれているイスラーム問題最高評議会の20回目となる国際会議に参加したイスラーム世界のウラマーや思想家、啓蒙家達を前に行ったスピーチでホスニー・ムバーラク大統領は、イスラームを貶め、そのイメージを汚し、イスラーム社会の発展と発達を妨げている過激主義や狂信、テロといった現象を防ぎとめるよう求めた。

アフマド・ナズィーフ首相が代読したこの大統領のスピーチは、幾つかの過激派潮流によるイスラームの教義への狭量な理解と誤った解釈の危険性に注意を促し、そうした理解はイスラーム世界を後退させ、我々の暮らす今の時代との適応を妨げるものであると指摘した。

大統領は昨日午前に始まった会議の開会式において、真のイスラームとその教えの正しい啓発と理解を通し、社会に寛容、慈悲、相互扶助の価値を広めていく行動を呼びかけ、「そのためには時代精神に一致した宗教的言説の再考が求められる。イスラームは労働、生産、建設を促し、物質的・精神的な様々なレベルに人間を引き上げる、あらゆる面において“生の宗教”なのだ」と語った。

またこのスピーチは、同会議が今年のテーマとして選んだ「社会の安全」という問題も取り上げ、「安全の問題はこれまでも、また今でも全世界を悩ませる問題であり、危険に脅かされ、あらゆる場所にテロが拡散した現代世界においてはなおさらである」とした上で、「社会の安全という概念は生活のあらゆる側面に及ぶ多面的な概念であり、それら全ての面を総合して万全な社会的安全のシステムというものが形成されれば、個人にとっても集団にとっても生きるために欠かせない、それ無しには生活が成り立たない存在とみなされるようになろう。また同時にその社会的安全のシステムは、真の脅威や無視できない危険に対する予防的な保障と理解されるようになろう」と強調した。

この会議には80以上のアラブ諸国、イスラーム諸国、その他の国々からウラマーや思想家、啓蒙家達が参加し、イスラームにおける社会的安全に関するおよそ100件の研究課題を4日間にわたって話し合う。開会式ではアズハルのムハンマド・サイイド・タンターウィー総長とワクフ省大臣で同評議会の議長を務めるマフムード・ハムディー・ザクズーク氏、コプト教会の総大主教でアレキサンドリア総主教のシュヌーダ3世がスピーチを行い、イエメンのワクフ相大臣、アブドゥルハミード・アル=ハッタール氏が参加団を代表してスピーチを行った。

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( 翻訳者:平寛多朗 )
( 記事ID:13390 )