エリフ・シャファク、女流英文学のオレンジ賞(英国)の候補に
2008年03月19日付 Radikal 紙
3月18日に発表された、イギリスの権威ある文学賞の1つであるオレンジ賞の候補者リストに、トルコから作家エリフ・シャファクが挙げられた。女性作家にのみ授与され、またイギリス文学界が注目するこの賞に、今年はエリフ・シャファクのおかげで世界的に例年以上の関心が集まっている。さらに、世界中の新聞や通信社が「トルコで裁かれた作家がオレンジ賞候補に」と報じた。
インディペンデント紙(英)は、「エリフ・シャファクの最新の作品は刑法301条により訴追を受ける原因となった。今、シャファクの著書『父と私生児』は無罪判決から18ヶ月が経ち、オレンジ賞候補に挙がった」と報じ、また審査委員長であるカースティ・ラングが、候補に選ばれた作品は政治的な事柄が含まれているからではなく、力強い女性の登場人物が描かれていたからだと話したとも伝えた。ラングは「父と私生児」について、「素敵で、力強く、競う女性が登場している。非常に独特かつ斬新なこの小説はセックスや男女関係が率直な言葉で描かれている」と話した。
シャファクの作品『父と私生児』は、トルコにいるムスリムとアメリカにいるアルメニア人の2家族を並べ、力強い女性たちが登場する家族の物語を通して、今日のイスタンブルにおける若い女性たちを描いており、英語では「イスタンブルのノガン(Bustard of Istanbul)」と訳された。この本がアルメニア人のジェノサイドに言及しており、そこで反トルコ的なインターネットサイトからの引用を行ったため、「トルコ性を中傷するものだ」として刑法301条により訴追されたのであった。
■ 2006年にはゼイディー・スミスが受賞
オレンジ賞候補には20作品が挙げられている。昨年はナイジェリア人のンゴズィ・アディーチェが、2006年はゼイディー・スミスが受賞したこの賞の候補作品のうち7作品が処女作である。3万英ポンドの賞金の行方は、6月4日の授賞式で発表される。作家、小説家、評論家たちから成る審査委員の中に、今年は歌手のリリー・アレンもいる。
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( 翻訳者:林田紀子 )
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