憲法裁判所は、満場一致で公正発展党(AKP)解党に関する起訴状を「受理可」と判断した。起訴状は、大統領に関わる部分を考慮した上でも、多数決で受理が承認された。こうして、公正発展党に対する審理プロセスが始まった。
憲法裁判所は、皆が15日間心待ちにしていた決定を下し、公正発展党の解党を要求する起訴状を満場一致で「受理可」と判断した。裁判官のうち4名は、起訴状にはアブドゥッラー・ギュル大統領の政治活動禁止が要求されているため、この点において差し戻すべきだという見解を明らかにした。しかしこの見解は7名の裁判官により否決された。裁判所はこのように、政党の解党に関する起訴状を検討しながら受理し、大統領を含め全員に対し「政治家として現役中の活動を理由」に政治活動の禁止を言い渡しうるという見解を明らかにした。
憲法裁判所は、民主市民党(DTP)の解党要求に関する起訴状で初めて適用され、刑事裁判法(CMK)に記載されている「起訴状の差し戻し」方法が公正発展党の訴訟で適用されるかどうかを議論するため、昨日10時に集会した。
■パクスュトが説明した
刑事裁判法によると、ある起訴状の差し戻しの決定は起訴状が裁判所に送られて15日以内になされる必要がある。情報によると集会が始まる前に、この15日という日数が政党の解党訴訟において有効なのかどうかが議論された。何人かの裁判官が、起訴状と査読官の「受理の可能性」に関する報告を十分に検討していないという理由で、集会を延ばすかどうかが話し合われた。
しかし起訴状差し戻しの検討部会が動き出すことになると、日数の条件が無視できなくなるという見解や、またこのタイプの決定が新たに議論を招きうるといった見解が受け入れられた。このようにして15日間の最終日である昨日、審議が行われた。
約4時間続いた会議は14時15分に終了した。会議中は建物にメディア関係者は立ち入り禁止であった。
■ギュル氏に関わる決定に4票の否認
15分間の短い休憩以外、この問題について絶え間なく議論していた裁判官の決定を、憲法裁判所副長官オスマン・パクスュトが説明した。パクスュトは説明する前に、後で質問は受け付けられないこと、解説はしないことを断った。また、起訴状が完全に満場一致で受理され、ギュル氏に関する部分を考慮した上でも、多数決で受理の決定を見たことを明らかにした。情報によると裁判団は「憲法裁判所法によると、起訴状が裁判所に送られるのに伴って実際訴訟は開始される」という見解は出てこなかった。民主市民党の訴訟で起訴状を「受理可」だと決定を下した裁判団は、刑事裁判法がこの訴訟でも適用されると判断を下した。このようにして裁判所は、政党解党の要求に伴い準備された起訴状が必要な基準に達していない場合、差し戻しが可能だと発表した。11名から成る憲法裁判所の裁判団は、このステップを経て、起訴状の氏名、住所などの情報に不備がないかどうか、証拠の十分さ、そして要求そのものを議論した。裁判団は、証拠についての詳細な議論を訴訟の根拠にする一方、憲法裁判所長官ハシム・クルチ、裁判官のサジト・アダル、セッルフ・カレリ、セルダル・オズギュルドゥルは起訴状でギュル大統領に5年政治活動の禁止が求められていることを指摘した。政治活動禁止は、その結果を考慮するなら処罰を受けたことになると強調した4名の裁判官は、大統領というものは「国家反逆罪」以外の罪では処罰されえないと擁護した。またそれゆえ起訴状のギュル氏にかかわる部分を理由に、差し戻されることを求めた。
■満場一致で承認
しかしギュル氏の、大統領就任以前の公正発展党時代の活動と発言のせいで政治活動禁止が要求されていることを指摘する7名の裁判官は、この見解に反対した。
7名の裁判官は、科される政治活動の禁止が大統領の職務に影響をおよぼさないこと、政治活動の禁止は処罰ではなく一つの措置であるとの考えを述べた。公正発展党執行部が起訴状の差し戻しが必要であると主張する根拠にもなっている「起訴状のなかで大統領について触れることは、法律的に誤っている」というような見解も、4対7の票で否認された。
起訴状がただ新聞報道に基づいており、またはっきりした法的決定に委ねられなかった訴訟が起訴状で証拠として承認され、証拠とみなされる説明に関する否認意見がファイルに載せられていないといった、差し戻しを必要とする見解もなかった。裁判団は、起訴状が完全に受理できるかを問う投票で、民主市民党の訴訟であったように、満場一致で決定した。
憲法裁判所の受理の決定は、訴訟の結果に関するある意見を映し出していない。裁判団は、裁判のプロセスにおいて証拠を検討しながら、公正発展党が反世俗主義活動の中心であるかどうかを判断することになるのだ。
■プロセスはどう進められるのか
受理決定後、憲法裁判所は、訴訟がどのように進められるかを示す「裁判録」の準備にとりかかった。これによるとはじめに公正発展党に対し1ヶ月以内に弁論するよう要求する。要求がある場合は党に追加期間が与えられる。弁護が準備された後、最高裁判所検事総長が訴訟根拠についての見解を説明する。憲法裁判所はその後、最高裁判所検事総長と公正発展党から口頭での説明を聞く。ファイルは訴訟根拠に対する見解をあきらかにするため、査読官に手渡される。報告書とファイルにおける不足箇所が埋められた後、憲法裁判所は訴訟を検討し判決へと導くのである。公正発展党解党のために11名の裁判官のうち最低でも7名の「解党」の票を集めなければならない。
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( 翻訳者:白石百合子 )
( 記事ID:13481 )