ハマースとジハード、イスラエルとの停戦および通行所開放問題をエジプトの仲介で協議
2008年03月23日付 Al-Ahram 紙
■ エジプト・パレスチナ会談で、停戦と通行所問題を協議
■ ハマースとジハード運動、イスラエルの攻撃停止と引き換えにロケット発射停止を示唆
■ サナアでのハマース、ファタハ間の交渉ラウンド、合意に至ることなしに終結
2008年03月23日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
【ガザ:アシュラフ・アブルホウル、サナア:イブラヒーム・アル=アシュマーウィー、エルサレム:諸通信社】
停戦合意が近いとのこれまでになく楽観的な雰囲気の中、ハマースとジハード運動の代表団はエジプトの治安組織高官達と、通行所の開放を含む、イスラエルとの相互停戦合意に至る方策を協議した。さるエジプトの高官はフランス通信社との会見で、週のうち三日間、ラファハ通行所を開放する可能性について協議したと述べた。
ハマース、ジハード、双方の幹部筋は「イスラエルがガザ地区とヨルダン川西岸地区への攻撃停止に応じれば、その見返りとしてガザ地区周辺のイスラエル町村に対するロケット弾発射停止の約束を遵守するとの確約をエジプトがハマース、ジハードの両運動から得たことから、停戦と通行所開放に向けたエジプトの努力にイスラエルが応え始めた兆しが見られる」と述べた。
ドイツ通信社はパレスチナ筋からの情報として、「エジプトのオマル・スレイマーン情報長官はイスラエルとの停戦実現を急いでいる」「停戦が実現しなければ、代わりにガザ地区に対する流血の侵攻が国際的な承認のもとに行われることになろう。スレイマーン長官は来週のワシントン訪問でそうした事態を防ごうと試みるはずだ」との発言を伝えた。
イエメンのサナアでは昨日、ハマース、ファタハ両代表団の交渉ラウンドが合意に至ることなしに終結した。イエメンのアブーバクル・アル=クルビー外相は、イエメンがファタハとハマースとの新たな和解案を提示し、現在ハマース指導部からの返答を待っているところだと発表した。記者会見でクルビー外相は「ハマース、ファタハ両運動の代表団と我々は、合意の最終文案への同意に達した。インシャーアッラー(アッラーが望むならば)、」この案で署名がなされるであろう」と語った。同外相によれば、ファタハはこの案に完全に合意したものの、ハマース代表団は内外のハマース指導者たちと協議するための猶予期間を求めたという。
先週木曜のイエメンによる最初の仲介は失敗したが、イエメン政府は昨日、対話再開を確認していた。双方が仲介失敗の責任を相手に擦り付け、マフムード・アッバース大統領はハマース代表団が和解案を受け入れず、和解案の根本を崩すような留保や条件を出してきたと強調した。同大統領はパレスチナ解放機構(PLO)代表団は、ハマース指導部がなんらの留保なしにイエメンが提起した和解案を受け入れる姿勢を示せば、いつでもイエメンに戻れる用意をしつつ、パレスチナの地に戻ると付け加えた。
他方でハマース側はこれと正反対の声明を発している。ハマースのサーミー・アブーズフリー報道官はAFPに対し「イエメン提案の失敗はアッバース大統領にハマースと対話をする真剣さがなく、提案が課すあらゆる義務から逃避しようとしたことを意味する」と語った。
マフムード・アッバース大統領はアメリカのディック・チェイニー副大統領と今日、ラーマッラーの議長府で会談を行うが、そのチェイニー副大統領は昨日、占領下エルサレムへの到着直後、合衆国はイスラエルに対しいかなる圧力もかけることなく、イスラエルの治安、防衛、生存の実現という約束を永遠に守ると明言した。
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( 翻訳者:平寛多朗 )
( 記事ID:13487 )