ビュユクアヌト参謀総長、「反動の動きは続いている」
2008年04月05日付 Milliyet 紙
ヤシャル・ビュユクアヌト参謀総長は、「宗教の問題はトルコ共和国の建国から今日まで、一部の団体や組織から利用されてきた。反動勢力は、世俗主義に反対する行動を、ワクフ、協会などの名の下で一連の法的な装いを用いて国内外で行い続けている」と述べた。
ビュユクアヌト参謀総長は、『防衛・航空誌』の4月号に掲載されたルポルタージュで、イラクでの軍事作戦が原因である負の要素から、最も影響を被ったのはトルコであることを述べつつ、次のように語った:
■ 『クルド労働者党(PKK)は北イラクを基地とした』
「90年代末に向け分解の途を辿り始めたテロ組織のクルド労働者党(PKK)/クルド人民会議(KONGRA-GEL)は、イラクにおける権力の空白と混乱状態に乗じて流血の行動を加速し、イラク北部を彼ら自身の安全な基地にした。我々はイラクと我々の間で対テロ闘争の協定が結ばれることを期待する。トルコとしては、イラクとの軍事面での協力が進むことに非常に満足している。」
ビュユクアヌト参謀総長は、イラク北部で現れうるものがトルコの安全に直接影響しうると述べ、次のように話した:
■ クルド政府の警告
「我々が国境を接するイラクの北部に、クルド労働者党/クルド人民会議が居ついた。コーカサスの壊れやすい安全環境は極めて不明瞭である。トルコの東の隣人であるイランについては、核兵器技術の主張、国際社会との間の緊張も続いている。これらの全ては、地域覇権勢力であるトルコが、安全保障政策を形成するにあたり注意すべき要因である。
今日、我々が直面している分離者のテロ活動の標的は、まず国民国家、次いで統一済みの国家を崩壊させることである。民族的アイデンティティを憲法で保障するという彼らの要求は、即ち国民国家の仕組みを標的としている。その後、標的が統一済みの国家になるだろうことは全く疑いない。
我々の国に対する分離主義者の脅威の中心となっているクルド労働者党/クルド人民会議は、4万近いトルコ共和国国民の死の原因となっただけでなく、他の周辺諸国にとっても脅威であり続けている。
■ テロのブーメラン効果
ビュユクアヌト参謀総長は、対テロ闘争に携わる部隊における職業軍人の数が、策定された計画に沿って継続的に増加されていることも述べた。
テロに「ブーメラン効果」があることを注意した参謀総長は、テロを直接または間接的に援助している国々も、いつかテロの標的になり得ると警告した。
■ 「外国から援助を受けている反対行動」
ビュユクアヌト参謀総長は、宗教の問題も、トルコ共和国の建国から今日まで一部の団体や組織から利用されてきたことを強調し、反動勢力は、世俗主義に反対する行動を、ワクフ、協会などの名の下で一連の法的な装いを用いて国内外で行い続けていると述べた。
同参謀総長は、我が国の民族的・宗教的構造と、このことにおける文化的豊かさも、近年、外国から援助を受けた一部の団体や組織から利用されようとしていると強調した。
また、「9月11日のテロ攻撃後、アメリカ合衆国では『国土安全保障』という概念が現れました。そしてこの概念に沿って組織化が進み、その中で全ての税関業務と国境警備の責任を内包し、シークレットサービスと沿岸警備隊をも含む、大きな仕組みがアメリカで現れました。トルコにとって、これと似た取り組みを、どのように思われますか?」という問いに、参謀総長は次のように答えた:
■ 「トルコ国軍には憲法上の任務がある」
「トルコの状況はアメリカ合衆国とは異なるものだ。トルコ国軍には、多くのヨーロッパ諸国でそうであるように、必要な時は国内の安全、または祖国の安全を確保する責任がある。そしてこれは、トルコ国軍に憲法によって付与された任務である。」
ビュユクアヌト参謀総長は、国家安全保障評議会(MGK)の調整機能を強調する一方で、「しかし国家の安全に関わる各機関の間で情報を共有し、協力、そして調整をより発展させる必要がある。この件に関して努力もしている」と語った。
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( 翻訳者:林 奈緒子 )
( 記事ID:13513 )