エジプトで野党勢力がストライキを決行、マハッラではデモ隊と警察隊が大規模衝突
2008年04月07日付 al-Quds al-Arabi 紙

■キファーヤ運動の指導者らを含む数百名を逮捕、工場施設を破壊
■エジプトでストライキ対策のため治安部隊の大規模配備、マハッラでは警察との衝突により数十名が負傷

2008年04月07日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【カイロ、ロンドン:本紙】

 昨日、エジプトでは治安要員が広範囲に配備され、デモ参加者と警察隊の間で前例のない激しい衝突が起きた。識者らはこの事態を民衆蜂起、あるいは市民暴動の前触れと見ている。

治安筋によると、数百名のデモ参加者とキファーヤ運動の指導者や著述家、労働者リーダーといった政治活動家が逮捕された。政府は彼らがストライキを止めさせなかったと非難する。

マハッラの治安部隊は労働者に工場に出勤して機械を稼動するよう強制したが、それでもなお国内有数の産業拠点とみなされるエジプト・デルタ地方のこの大きな町の通りで大規模な衝突が発生するのを防げなかった。

キファーヤ運動のHPによれば、デモ参加者はマハッラとガルビーヤ県の中心都市タンタを結ぶ街道を分断した。また未確認情報ではあるが、ゴム弾で住民一人が殺害されたほか、いくつかの工場施設が破壊され、いずれも治安部隊による犯行だと同運動のHPは指摘している。

カイロのジャーナリスト組合前では、大勢の治安部隊に囲まれながら、活動家約2000人がデモを組織し、以下のようなシュプレヒコールを叫んだ。「怖いものなんてない…ただのパンも見つからない…われわれ貧乏人は労働者と共に資本主義政策と戦うぞ…清廉なるアフマドさんよ…パン切れ一枚でスキャンダル」〔訳注:エジプトの現首相アフマド・ナズィーフの「ナズィーフ」には「清廉」の意味がある〕。

マハッラ市でデモ参加者と警察の間に激しい衝突が起きたのはこれが初めて。中には今回のスローガンや衝突騒ぎで1977年のパン暴動を想起した識者もいる。値上げへの抗議運動が全土に広がったこの時の民衆蜂起では、およそ70人の犠牲者が出た。

 昨日には大半の学生も大学に行くのを控えたが、これをストの呼びかけに応えたためと見る者もある一方、政府筋はこれを昨日エジプトを襲った激しい砂嵐のせいだと説明している。数十万人規模の治安要員がデモ隊に向けて配備されたことについて識者らは、政権側が敏感になっており、広範囲な民衆蜂起が起こる可能性を憂慮している表れと見ている。

 またムスリム同胞団や有力野党のスト不参加は大きな論議を巻き起こしており、明日火曜に予定されている地方選挙前夜の一斉検挙に政権側が打って出るのではと予想する向きもある。
(中略)

 しかしながらアフマド・ディヤーウッディーン内務次官は本紙に対し、複数の野党勢力が呼びかけたストライキに応えた一般市民は一人もおらず、参加したのは悪しき意図を抱く一握りの祖国の敵にすぎないと指摘した。

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( 翻訳者:小林洋子 )
( 記事ID:13554 )