アルツマンCHP議員、スカーフ問題に言及したバローゾ欧州委員会長を非難
2008年04月14日付 Zaman 紙

共和人民党(CHP)イズミル選出のジャナン・アルツマン議員は、先週トルコ大国民議会における演説で「イスラーム風スカーフを被るかどうかは、それぞれの女性がそれぞれの信仰に従ってなすべき判断です」と語ったジョゼ・マヌエル・バローゾ欧州委員会委員長へ非難の手紙を送付した。アルツマン議員は、イスラーム風スカーフは個人の選択ではないと主張し、「イスラーム風スカーフは女性に向けられた暴力であり、女性の人権侵害であり、ある種の強要であり、圧力の要素があり、女性を二次的な地位に貶める方策です」と非難した。

アルツマンCHP議員は、以前にもスカーフを着用した女性へのさまざまな侮辱で物議をかもしたが、スカーフ着用女性を擁護したバローゾ氏に対しても激しい反発を示した。同議員は送付した手紙で、「あなたのご訪問によってEUとあなたに対する信頼が急速に失墜しました。今回のご訪問が与党を支援するためになされたことを国民も非常によく理解していますので、あなたの親しい友人であるAKPへの国民の支持も同様に低下しました」と非難し、この根拠としてバローゾ委員長の「スカーフの自由」に関する発言を挙げた。

アルツマン議員は、バローゾ委員長の考えがトルコ国民を非常に不愉快にしたと強調し、この考えは欧州の政治家がトルコとトルコ人を全く理解していないことを示すものだと主張した。
「民主的世俗主義という書物にはない概念を主張して、あなた方が、AKPのように世俗主義の内実を骨抜きにすることを望んでいるということもあり得ます。イスラーム風スカーフは女性の自由な個人的選択であるとする、この件に関するあなたの発言は、人口の圧倒的多数がキリスト教徒である欧州では受け入れられるでしょう。しかし、人口の99.9%がムスリムであるトルコでは、イスラーム風スカーフは女性の自由、個人の選択というようなものではありません。わが国では女児たちがわずか5,6歳でイスラーム風スカーフを被せられるのです。何も認識できず、個人的好みをいうこともできず、圧力に抗することもできないほど幼い時期にスカーフを被せられ、女性を意味するものが付け加えられ、女性のアイデンティティが付与されます。この状況が平等と個人の自由でしょうか?」

ジャナン・アルツマン議員は、トルコの女性は個人的好みを行使できる立場にはないことも主張し、与党は女性といったものを利用して政治を行い、性差別を助長していると述べた。
同議員は、「宗教的原則によって統治された国々では女性の人権という表現すらありません。世俗主義なくして、ムスリム国家で女性の人権が存在することはありえません。それゆえトルコの女性は、われわれの憲法において形作られたままの世俗主義原則を手放すことなど決してありませんし、その内実を骨抜きにすることを絶対に認めないでしょう」という表現を使った。

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( 翻訳者:幸加木 文 )
( 記事ID:13580 )