エジプト、パレスチナ武装組織による国境侵犯の再発を警戒
2008年04月11日付 Al-Ahram 紙
■ 国境地帯の状況は沈静化、エジプトはガザ地区への支援を続行
■ 4000トンの食糧援助
■ 治療を終えた負傷者がガザ地区に帰還
■ 国境侵入阻止のため、治安措置を強化
■ アウワード報道官:「エジプトはパレスチナ人民の苦難を除去する努力を続ける」「ハマースが相反する声明を出すことは受け入れがたい」
2008年04月11日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
【カイロ:ターリク・ハサン、アリーシュ:アフマド・サリーム】
エジプト・ガザ国境の情勢が完全に沈静化した中、エジプトはパレスチナ人民の苦難を取り除くための努力を続けており、必要な食糧および人的援助を地区に提供し続けている。
北シナイ県のアフマド・アブドゥルハミード県知事は、国境地帯は完全に平穏で、治安が安定し生活が停滞していないことが、数多くの活動によって確認できると語った。また県知事は、ラファハ国境沿いの治安措置を強化したのは、幾つかのパレスチナ武装組織による国境侵犯を阻止するためであり、特にハマースの指揮官数人がエジプト国境を再び侵犯する意図を声明で示したことを受けた措置であると発表した。
同じ頃、エジプトからの支援物資がガザ地区へ続々と搬入され、昨日には70トンもの食料品、砂糖、食用油、および1000枚の毛布を含む第17陣の支援物資が到着した。同様にエジプトの病院での治療を終えたパレスチナ人負傷者30人のガザ再入国も完了し、これによって2月半ばから現在に至るまでにエジプトが提供した支援の規模は、あらゆる食料、医療、人道物資4000トン近くに達した。中にはエジプトで極度に不足している価格補助を受けた小麦100トンも含まれる。
(中略)
パレスチナの複数グループがエジプト国境を侵犯する意図を公言したこと関する質問に答えて、エジプトのスライマーン・アウワード大統領府報道官は一昨晩にシャルム・シェイフで行われたエジプト・サウジアラビア首脳会談直後の記者会見で、「エジプトは同じ事態の再発を許さないとハマースその他の組織にすでに警告したはずだ」と述べた。そして「このような声明に執着し、発表する者は、それを実行に移す前に幾度となく自らを省みるべきであり、また再び繰り返された場合に〔国境侵犯という〕その行為が引き寄せるであろう帰結の責任を負うべきだ。我々としてはそうした帰結に至らぬよう神に祈る」と語り、エジプトはパレスチナ人民の苦難を除去する努力を続けているし、ハマース高官のある者はエジプトの努力を称え、ある者はそれと反対の声明を出すというような、相反する声明を発表するハマースの姿勢は受け入れがたいと強調した。
またアウワード報道官は占領によって引き起こされたガザ地区の諸問題がエジプトに輸出されるのを許すわけにはいかないとして、「パレスチナ人は占領を憎んでいるし、彼らにはその権利がある。侵犯するのならイスラエルとの間に存在する通行所にすべきだ」と強調した。
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( 翻訳者:勝畑冬実 )
( 記事ID:13583 )