「トルコ国民」という定義にクルド人もはいる -アゼルバイジャン、キルギスは入らない
2008年04月17日付 Zaman 紙
トルコで盛んに議論の対象になっている条項の一つ、トルコ刑法の第301条が遂に改正される。議会の議題となった改正により「トルコ性」ではなく「トルコ国民」という概念がもたらされる。
新しい概念は公正発展党(AKP)と民族主義者行動党(MHP)を対立させた。MHPはこの試みが「トルコ性」への侮辱につながると主張し、より包括的であるためこの表現に手をつけないよう望んでいる。AKPはというと、「トルコ国民」という表現が包含的であると見なしている。
ニハト・エルギュンAKP会派代表代理は、2つの概念がそれぞれ異なっていると述べる中、「トルコ国民」と「トルコ性」の定義に関して確認をおこなった。エルギュン代表代理は、「トルコ国民との定義はより包含的であり、民族的ではない。トルコで生活しているクルド人もアラブ人もこの定義に含まれる。キルギス人とアゼルバイジャン人は含まれない」と述べた。
「トルコ性」という表現で何が意図されたのか長い間議論されている。「トルコ性」の概念がトルコ国内に限らないことが明らかにされている。トルコ刑法ではトルコ性という表現は次のように認識されている。
「トルコ人に固有の共通の文化がもたらす共通の存在」
この定義によりキルクークのトルコ人からトルコ共和国までの広い場所が法的な範疇に入っている。トルコ国外のトルコ人に向けた発言故に「トルコ性」への侮辱で告発することができる。
明日金曜日に法務委員会で取り上げられる提案が、来週、総会で審議・可決されることが予想されている。共和人民党(CHP)とMHPは、EUの圧力でなされたと主張して、この改正に反対である。民主市民党(DTP)は301条が完全に削除されることを望んでいる。MHPは「トルコ性」という言葉が、一方CHPは「共和国」という言葉が変更されることに反対である。AKPの提案では「共和国」の代わりに「トルコ共和国国家」とされている。CHPはこれを共和国を弱める試みとみている。
■ 5年間で6000人が被告人席に着いた
トルコ刑法301条に関してこの5年間で1481の裁判がおこなわれ、745人が有罪となった。6075人が被告人席に座った。2003年に1313人、2004年に1385人、2005年に1305人、2006年に1533人、2007年に1189人が裁判にかけられた。改定前は159条に据えられており、2005年に施行された新トルコ刑法では301条として整えられたこの条項により、2003年に429の裁判が開かれた。2004年には318、2005年には221、2006年には328、そして2007年1-9月に185の裁判が行われた。
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( 翻訳者:百合野 愛 )
( 記事ID:13603 )