生産農家で0.9トルコリラ、小売店では5トルコリラ 米価の高騰問題
2008年04月19日付 Yeni Safak 紙
米にみられる法外な価格の原因として、ストックしている卸売業者が指摘されている。農地で90クルシュ(72円)で買われた籾(モミ)の価格は市場で5新トルコリラ(約400円)にまでになっている。人々の反発は、米の消費を減らすことになって表れた。
米は、農地から食卓に来る間に、その値段は約8倍に増加している。農地で80~90クルシュ(65~72円)で売られたモミは、精米されて米の状態にされ、1.3新トルコリラ(約105円)で卸売業者に売られる。卸売業者は1.6から1.8新トルコリラ(130~145円)のあいだの価格で小売業者に売る。その米がマーケットの商品棚で売られる際の値段は、5新トルコリラ(400円)にまで高騰することがある。市場の専門家は、チェーンストアにある穀物類売り場が大企業の手中にあるとし、米の価格は商品棚で決められていることに注目を促している。
■生産量の増加にも関わらず…
米に見られる価格上昇の理由として、市場に十分な作物がないことが指摘されている。しかしトルコでは年間55万トンの米が消費される一方で、昨年は40万トンの生産に加え、追加で行われた輸入により、現在、市場には72万トンの米があることが明らかにされている。これと似た形で、2006年に世界で生産された米の量が4億2000万トンである一方、昨年は日照りにも関わらずこの数値は4億2600万トンに上った。
農務省も消費者の不安を防ぐため、さらに10万トンの無課税米の輸入許可を出したことを明らかにしている。
■価格は商品棚で決められる
精米協会のビロル・コジャマン事務局長は、農家はモミを非常に安価で売っていると述べ、米を倉庫にストックしている小売業者が多大な不労所得を得ていると話した。コジャマン事務局長は、暴利を貪る者から市場が解放されるよう、法の抜け穴をなくすことを求め、こう語った。
「穀物類の価格は農地でではなく、マーケットの商品棚で決められている。法の抜け穴を利用する投機家は、生産者と消費者、両方に害を及ぼしている」
■米ボイコットが拡大している
投機的な価格上昇に続き、国民も、そして労働者に食事を与える諸組織も、米の代わりにブルグル(ひき割り小麦)やマカロニといった代用食品を使用するようになった。
投機家のゲームを妨害するために始められたボイコットの決断に、ケータリング会社や企業も参加を始めた。消費者組合の名誉会長、ビュレント・デニズ氏は、トルコでは米に対する過剰投機があると述べた。同氏は消費者が不安に駆られていることを明らかにし、「消費者は必要以上に購入すべきではない。世界の食料生産は十分である」と語った。
消費者権利センターの総代表、オメル・ケセル氏は、これまでに消費者に反発を示し続けることと、価格が下がるまで米を買わないようにと呼びかけたと語った。ケセル氏は、「消費者はマーケットに殺到した。このことも投機家の利するところになってしまった」と語った。
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( 翻訳者:林 奈緒子 )
( 記事ID:13620 )