カーター前大統領が故アラファートの墓所に献花、ハマース議員はラファハ通行所の開放を求めて座り込み
2008年04月16日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ハマース政府の前閣僚と会談、アラファートの墓所に献花
■イスラエルはカーターにガザ訪問を禁じる
■ハマース議員たち、ラファハ検問所前で座り込み

2008年04月16日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【ラーマッラー:本紙ワリード・アワド記者】

アメリカのジミー・カーター元大統領が、アナポリス和平会議後にイスラエルは入植地をさらに拡張し、いかなる軍事検問所も撤去せず、会議での約束を果たしていないと語った。

カーター元大統領は西岸地区の町ビーレでの記者発表で、このたびの中東訪問の目的は和平プロセスを後押しするためにすべての当事者の話を聞くことにあると述べ、公人としてではなく個人としての取り組みであると指摘した。

火曜日には西岸地区のラーマッラーで、今回の中東訪問中にハマースが掌握するガザ回廊への訪問を望んでいたが、イスラエルがこの訪問を許可しなかったと発表し、「私はガザへ向かう許可を得ることが出来なかった。私はそれを望み、許可を求めたのだが、拒否された」と報道陣に語った。カーター氏は解任されたハマース政府の元大臣と会談することで、イスラエル指導部に挑戦した。イスラエル側はカーター氏にハマース指導部と会見する決意があることを理由に、彼を無視してかかった。

先週日曜日にこの地域に到着して以来、カーター氏に向けられた激しいイスラエルからの批判にもかかわらず、カーター氏は2006年の評議会選挙後に形成されたハマース主導のパレスチナ政府で副首相の地位にあったナーセル・シャーイルと会談した。シャーイル氏はハマースによるガザ掌握以降もたびたびアッバース大統領と会談している人物で、ハマースと確固たる関係を持つイスラーム主義者である。またカーター氏はロザリン夫人を伴ってパレスチナの故ヤーセル・アラファート大統領の墓所を訪れ、大統領と夫人のメッセージ付の花束をそなえた。ジョージ・ブッシュ大統領は最近のラーマッラー訪問の際、アラファートの墓所にあえて献花しなかった。アメリカ当局は2004年に死亡したアラファートとの関係を絶ち、暴力を煽動していると非難していたが、アラファート自身はその非難を否定していた。

カーター氏は墓所の近くで「アラファート大統領は親愛なる友人であった」と述べ、アラファート大統領の果たした歴史的役割について、パレスチナ問題とパレスチナ人民、また世界中の公正の問題のために貢献したと称えた。

一方、ハマース所属の議員たちは昨日、パレスチナ・エジプト国境上にあるラファハ通行所のゲート前で座り込みを行い、通行所の開放と封鎖の解除をエジプト政府に訴えた。評議会議長に指名されているアハマド・バハル議員は通行所の前で開かれた記者会見で、ラファハ通行所の開放とパレスチナ民衆に対する封鎖の解除へ向けた行動をエジプト政府に求め、ガザ住民が封鎖を解こうとして今後いかなる暴発を起こそうとも、その責任はイスラエルの占領にあると語った。通行所のエジプト側にはエジプトの治安部隊が展開し、そのうちの1人が座り込みの様子を写真に撮っている姿が見受けられた。

アハマド・バハル氏は、「そうした暴発はイスラエルによる占領に向けられるのであって、同胞たるエジプトに対するものではない」と述べ、アラブ連盟でなされたガザの封鎖解除を求める発言が、悲惨なガザの地で緩慢な死に脅かされている150万人のパレスチナ人を救うため、行動に移される必要を強く訴えた。そしてアラブ連盟とすべてのイスラーム教徒、特にエジプトのムバーラク大統領とエジプト議会に対し、封鎖によって引き起こされかねない“人道的危機”に責任を負うよう懇願し、自身の正当な権利を擁護しアラブ共同体全体を防衛しているパレスチナ民衆の側に立つよう求めた。

ハマースは現場にテントを張り、様々な効力を確実にするための公開座り込み行動を宣言し、この座り込みは通行所の開放と封鎖の解除のために介入する必要性に世界の目を向けさせるためのものであると指摘した。

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( 翻訳者:鈴木啓之 )
( 記事ID:13629 )