ロイター通信カメラマンを含むガザ攻撃の犠牲者を葬送、ハマースとイスラエルの双方が報復を明言
2008年04月18日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ ハマース、あらゆる場所・手段で報復すると威嚇
■ パレスチナ人、怒りに満ちた葬儀で犠牲者らを葬送、イスラエルは人員を招集

2008年04月18日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【ラーマッラー、ガザ:ワリード・アワド、アシュラフ・アル=ハウル】

 ガザ地区でここ2日間に子ども7人を含む25人のパレスチナ人が犠牲になったことを受けて、ハマースとイスラエル指導部は互いに復讐を行うと脅しあい、さらなる暴力行為の発生が予測される。

 ハマースはガザ地区に対するイスラエルの空爆の犠牲者のために復讐すると叫んだが、イスラエルのエフード・オルメルト首相は現在起きていることの直接的な責任はハマースにあるとして、マアリブ紙とのインタビューで「我々はガザ地区で起きていることに直接かつ唯一の責任があるのはハマースであると認識しており、ハマースに代償を支払わせる」と語った。

 ガザのハマースを一掃するためにイスラエルは広域にわたる軍事作戦を行うと幾度も脅してきたが、現地のメディアはイスラエル政府が土曜日に始まる過ぎ越し祭の休みが明けるまで待つだろうと予測する。

 イスラエル軍放送によれば、イスラエルの高官らは土曜から8日間続く過ぎ越しの祭を祝う間にハマースがイスラエル南部の町村にロケット弾を集中的に発射するとの懸念から、ガザ地区への広範囲な地上侵攻作戦に青信号を与えることをいまだに躊躇しているという。またイスラエルの他のメディアが軍高官らの発言として伝えたところでは、5月中旬にイスラエルで建国60周年が祝われる際にジョージ・ブッシュ米大統領の訪問が予定されているため、オルメルト首相はガザ地区で広域作戦を実行するのはその訪問が終わるのを待ってからほうがよいと考えているという。この点についてイスラエルのエフード・バラク国防相は国営放送に対し、「イスラエルは感情に流されてではなく、熟慮を持って反撃すべき」と強調した。イスラエル警察の報道担当の発表によれば、過ぎ越しの祭りに際してパレスチナ側からの攻撃が起きることを恐れ、イスラエルの警察隊が警戒体制につき、ヨルダン川西岸は完全に封鎖された。

 水曜日に行われたイスラエルの空爆に反発してハマースのファウズィー・バルフーム報道官は、「敵が攻撃にあらゆる形式や手段を用いたからには、パレスチナ人に対する攻撃を阻止するためにイッズッディーン・アル=カッサーム団が行う反撃もまた、あらゆる抵抗の形式と可能な限りの選択肢を用いることになる」と述べた。そして木曜日にハマースはその軍事部門であるカッサーム団に対し、可能な限りあらゆる場所・あらゆる手段でイスラエルを攻撃するよう呼びかけた。

  昨日ガサ地区では水曜日に亡くなった犠牲者らを送る怒りに満ちた葬儀が行われた。犠牲者の中にはロイター通信のカメラマンであるファドル・シャナーアも含まれ、彼の同僚らも葬列に加わってパレスチナ国旗に覆われた彼の棺をガザ市のシファー病院から担ぎ出した。また別の台座には彼の破壊されたカメラと血跡が残る防弾着を載せて担ぎ上げた。

 一方、昨日木曜日にハマースはイスラエルの指導者らを暗殺するためにあらゆる試みを行うと威嚇し、この事態がやがて地域の戦争の口火を切ることになるだろうと明言した。

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( 翻訳者:森本詩子 )
( 記事ID:13642 )