カーター米元大統領がハマース幹部らと会談
2008年04月22日付 Al-Nahar 紙

■ カーター元大統領:「ハマースは条件付きで和平を受け入れた」
■ マシュアル政治局長:「67年の境界線に基づく国家樹立に同意する」

2008年04月22日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

【AFP、ロイター、MENA】

 ジミー・カーター米元大統領は昨日、イスラーム抵抗運動「ハマース」の立場に注目すべき進展が見られたと語った。カーター元大統領はここ数日間ハマースの幹部たちと会談しており、ハマースが元大統領に対して、和平合意に国民投票でパレスチナ人の合意が得られれば、イスラエルの平和な生存の権利を認める意向を示したことが明らかになった。

 カーター元大統領の発表の数時間後、ハマースのハーリド・マシュアル政治局長は、ハマースは1967年[の第3次中東戦争以前]の境界線に基づくパレスチナ国家を受け入れるが、イスラエルの存在は承認しないと述べた。

 カーター元大統領は、エルサレムでのイスラエル外交関係評議会において、ハマースの幹部らが自分に「パレスチナ人がそれを認めれば、1967年の境界線に基づくパレスチナ国家を受け入れ、イスラエルが隣国として平和に生存する権利を受け入れる」と述べたと語った。また、ハマース幹部らは「たとえハマースが一部の条項に同意していない場合でも、和平合意について全体的承認を獲得するためパレスチナ人民の意思を問うという条件の下で、パレスチナのマフムード・アッバース大統領とイスラエルのエフード・オルメルト首相の間で和平に向けた交渉が行われることに賛成する」と述べたという。

 その後でカーター元大統領は記者らに、「我々が付け加えた代替案は、もしも可能であれば、ファタハとハマースが参加する政府の樹立に向けた公平な選挙を行い、その政府が和平合意を承認するというものである」と説明した。

 またカーター元大統領は「ハマースとシリアを遠ざける現在の戦略はうまくいっておらず、むしろ暴力や誤解、敵意を増幅させている」との見方を示した。また、ハマースが30日間の一方的な停戦を拒否したことを指摘し、「私は相互の合意に到達するための役割は一切果たしていない。イスラエル政府高官と話し合うことはできないからだ」と述べ、イスラエル政府高官らが元大統領との会合を拒否したことに言及した。また、「そのため私はハマースに対して、『対等の扱いを期待せず一方的に停戦するべきだ。そうすれば、あなた方は人道的な行為によって、世界中の信頼をかちとることができるだろう』と伝えた。しかし彼らはこれを拒否した」と語った。

 シリアに関してカーター元大統領は、「バッシャール・アル=アサド大統領は、シリアとイスラエルの対立の85%は解決したと考えている。私の印象では、彼は真剣に、ゴラン高原に関する議論の続行を強く望んでいる」と語り、アサド大統領が「行方不明中のイスラエル軍パイロットのロン・アラッド氏の安否については知らない。またヒズブッラーに捕らえられたイスラエル軍兵士エルダド・レゲブとエフード・ゴールドバッサーの居場所も知らない」と述べたと語った。

(後略)

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( 翻訳者:齋藤睦美 )
( 記事ID:13692 )