イラク政府、テヘランへ代表団派遣、及びトルコ軍の対PKK作戦
2008年05月03日付 al-Quds al-Arabi 紙


■ イラク代表団、テヘランによる民兵支援の証拠を提示
■ 北イラク、死者数名を出したトルコの空爆をアメリカが支持

2008年05月03日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【バグダード:本紙】

金曜(2日)、トルコ軍は、木曜夜から金曜にかけ北イラクで行われた空爆によりクルド抵抗組織から数名の死者がでた旨発表した。人数は明らかにされていない。

ウェブサイト上で公表された幕僚発表によれば、PKK拠点を標的として行われた空爆により、情報組織がその存在を確認したテロリスト数名を殺害した。この包括的作戦においては、空軍機がテロ組織を攻撃し、PKKに深刻なダメージを与えたはずである。

それ以前に、抵抗組織側のスポークスパーソンが述べたところによれば、昨晩トルコ空軍機が北イラクに激しい爆撃を行った。しかし犠牲者については報告されていない。

3時間に渡った爆撃は、PKK分派と、やはりPKKから派生しイランを敵として戦うクルド自由生活党の基地を標的としていた。PKKスポークスパーソン、アフマド・デニースは、ロイターの電話インタビューに答え、爆撃には多数のトルコ機が参加していた、現在まで犠牲者の情報はないと述べた。

軍関係筋がロイターに述べたところによれば、空爆には少なくとも30のトルコ機が用いられ、イラクに隣接するキンディール山中のPKK幹部を狙った。

トルコ同様、合衆国並びにEUもPKKをテロ組織とみなしている。2月の厳冬期に8日間行われた侵攻では、抵抗側240名、軍27名の死者がでた。撤退後も指揮官は、更なる陸上作戦の存在を示唆していた。

金曜、ホワイトハウス報道官は、テロ組織PKKに対する作戦が進行中であり、合衆国、イラク、トルコはこの問題への関心を共有すると述べ、トルコによる空爆への支持を表明した。

NTVトルコニュースは、約50機がこの作戦に参加したと報じた。


金曜、マーリキー首相率いるダアワ党のメンバー、ハイダル・アル=イバーディーがロイターに述べたところによれば、イランへのイラク代表団が、イラク政府軍と戦闘中のシーア派民兵組織をテヘランが支援している証拠として、人名、訓練キャンプ、イランと繋がりのある小集団のリストを提示した。しかし、代表団とコンタクトがあるイバーディーによれば、木曜に行われた双方の協議では、イラン側はそれを認めることなく、イラクへの不干渉を主張し、イラクで事あればイランが非難されるのをアンフェアであると評した。ワシントンは、シーア派民兵組織、特に強硬派のムクタダー・アル=サドルに従うマフディ軍に対し、テヘランが武器、資金、軍事教練等の支援をしていると主張してきており、(証拠として)ロケット弾や迫撃砲等の兵器を提示した。

しかし、シーア派主流のイラク政府は、これらの容疑を否認しイラク政府支持を主張するイランに対し、全般的により慎重で批判を控えている。3月の終わりにマーリキー政府は、石油を擁する南部のバスラ市で対マフディ軍キャンペーンを行ったが、同地、そしてバグダードでも民兵側からの苛烈な応酬があり、政府機関や外交団所在地である首都のグリーンゾーンにはイラン製ロケットが盛んに打ち込まれた。

今週、米軍は、バスラ及びバグダードで多量のイラン製兵器が発見されたと発表した。匿名の米軍高官が昨日(2日)述べたところによれば、これらの兵器の中には2008年製造のものもあり、その発見以来バグダードは、イラクにおけるイランの活動に対する見方を根本的に変えつつある。イラク人にとっては、バスラがそのきっかけとなった。以前は、「イランの活動」について確信のなかった彼らも、バスラへ行き自分の目でそれを確かめる事となった。

シーア派イスラム諸政党を含むイラク連立与党は、イラン側に民兵組織支援停止を要請するため代表団を派遣した。代表団には、ハーリド・アル=アティーヤ国会副議長はじめ、ダアワ党メンバー、アリー・アル=アディーブ、最強のシーア派政党のひとつであるイラク・イスラム最高評議会メンバーのハーディー・アル=アンマーリーらが参加している。

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( 翻訳者:十倉桐子 )
( 記事ID:13726 )