首都アンカラを混乱させた憲法裁判所副長官の「盗聴」疑惑
2008年05月14日付 Milliyet 紙
公正発展党および民主市民党の解党訴訟、大学でのスカーフ禁止撤廃に関する憲法改正の無効訴訟のため注目されている憲法裁判所のオスマン・パクスュト副長官が明らかにした発言は首都アンカラを混乱させた。
パクスュト副長官は、夫人と食事に行った際、車両が追跡され、盗聴されているとの疑惑を持ち、警官の助けを求めた。警官は、車両が警察車両であることを述べたため、パクスュト副長官はアンカラ県警エルジュメント・ユルマズ本部長に届けた。現場に赴いたユルマズ本部長は、車両が警察のものであること、しかし盗聴や追跡は無関係であることを知らせた。
■ 警察の助けを求めた
入手された情報によると、パクスュト副長官は、フェルダ夫人とともに公用車でアンカラのカヴァクルデレにあるテニスクラブに食事にいった。クラブに近づいたころ、フォード社の車両によって追跡されているのではないかと不審に思った。テニスクラブの前で(自分の)車両を停止させた後、後ろの車両も停止したため懸念が増し、周囲にいた保安警官の助けを求めた。副長官は、警官に、追跡されたことおよび盗聴されたことをつげ、車両の後部座席を空けるようを求めた。
警官は、この件に関しての権限がないと述べたため、車両に近づいたパクスュト副長官は、窓ガラスが黒フィルムであったために中を見ることができなかった。この間に警官は、副長官に対し、車両が県警のものでありうるとの情報を伝えた。このため車両運転手のそばに行ったパクスュト副長官は、その人物に対し、「何をしていますか?」とたずねた。「いえません」との返事を受けた副長官と車両の中にいた人物の間で議論となった。これにテニスクラブの警備員とパクスュト副長官のSPも加わった。
■ ユルマズを呼んだ
パクスュト副長官はこのためユルマズ県警本部長を呼んだ。テニスクラブにきたユルマズ本部長は、副長官に車両が県警の密輸および組織罪部局のものであること、麻薬捜査遂行のために出動したと説明した。パクスュト副長官の追跡や盗聴は任務にないと説明したユルマズ本部長は、麻薬捜査中と述べた。
この間にテニスクラブにいた元公正発展党国会議員トゥルハン・チョメズ氏は、パクスュト副長官のテーブルにいき歓談した。パクスュト副長官は、クラブに来た新聞記者らに次のように語った。
「妻とともに食事のためテニスクラブに来た際、フォード社の車が私たちを追尾していることに疑いをもった。状況をすぐにアンカラ県警のユルマズ本部長に伝えた。彼がすぐにやってきた。簡単な調査の後車両が警察のものであること、しかしその任務が私たちと関係ないことを伝えた。トゥルハン(・チョメズ)さんを私が大使であったときから知っている。しかしここでは偶然出会っただけだ。」
現地の新聞はこちら
( 翻訳者:栗林尚美 )
( 記事ID:13822 )