■ オルメルト首相、辞任間近か
■ カディマ党、オルメルト氏抜きでの党運営に備える
2008年05月10日付アル＝ナハール紙（レバノン）ＨＰ1面
【ラーマッラー：ムハンマド・ハウワーシュ】
イスラエルのエフード・オルメルト首相に対する警察の取調べの一部が8日深夜に公開され、オルメルト首相が起訴された場合には辞表を提出する用意があることを表明したことによって、イスラエル国内と政界では、情勢の不安定化に対する懸念や早期選挙、政界および党派間の地図が書き換えられる可能性をめぐって議論が高まっている。
イスラエルのメディアは、「オルメルト首相が辞任を表明し、早期選挙が夏の終わりか秋中に行われることになるのは間近だ」と伝えており、「オルメルト首相は仮に取り調べを切り抜けたとしても、警察による取調べの結果が発表された際に巻き起こる政治の嵐と国民の反応や倫理上の批判に対して、地位を死守することはできないだろう」との見方を示している。また、「検察と警察はオルメルト首相を収賄と背任によって公式に起訴する準備を進めると見られており、来月５日が決定的な日になるだろう」と予測している。
カディマ党内のオルメルト首相の側近たちは「首相への疑惑と非難が拡大するなか、政界に対しても国民に対しても、首相を弁解することはほとんど不可能だろう。取調べの担当官とつながりのある法律顧問や代理人となる弁護士との協議に基づいて、首相は近いうちに辞意を表明しなければならなくなるだろう。顧問や弁護士らは、長く荷の重い法廷での闘争に勝つのは難しいと述べている」との見解を示しているという。またメディアは、「もしこの攻防を乗り切っても、法廷での闘争に伴う国民と政界の嵐を逃れることはできない」と伝えている。
また報道によれば、ツィピ・リブニ外相やシャウル・モファズ交通相などカディマ党所属の主要な閣僚らは、自らオルメルト氏の後継者として次期選挙の期間中に党を指導する可能性を模索し始めている。
別の情報筋によると、労働党党首であるエフード・バラク国防相は、ベンヤミン・ネタニヤフ氏率いるリクードの勢力伸張に対抗するため、ツィピ・リブニ外相とともにカディマ党と労働党の共通のリストに名を連ねて、選挙戦に突入する可能性をうかがっているという。
（後略）
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（ 翻訳者:梶原夏海 ）
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