スカーフ解禁の憲法改正の取消を求めた訴訟関連の報告書、昨日憲法裁判所へ提出
2008年05月17日付 Yeni Safak 紙
オスマン・ジャン氏は、大学でのスカーフ解禁を認める憲法改正の取消と施行停止を訴えた裁判に関する報告書を作成し、昨日(16日)憲法裁判所へ提出した。
憲法裁判所の査読報告書作成担当であるオスマン・ジャン氏は、大学でのスカーフ解禁を認める憲法改正の取消と施行停止を求めて開かれた裁判に関する根拠について報告書を作成し、昨日完成させた。憲法裁判所長官のハーシム・クルチュ氏へ昨日提出され、その後全メンバーに配られた報告書には、提訴の棄却を要望する旨が書かれていた。
共和人民党(CHP)と民主左派党(DSP)は、大学でのスカーフ解禁をもたらす第5735号「トルコ共和国憲法の一部条項改正に関する法」の第1条項、第2条項の取消あるいは廃止について、判決が下されるまでの施行の停止を求めて憲法裁判所へ提訴した。
■ 報告書には欧州人権裁判所(AİHM)の見解も
入手された情報によると、CHPとDSPが大学でのスカーフ解禁を認める憲法改正の取消を求めた提訴について、報告書の作成を担当したオスマン・ジャン氏は、訴訟棄却の方向で提案をおこなった。報告書には、憲法裁判所は憲法改正を形式面から監査できるが、その根幹には介入できないとあり、欧州人権裁判所の見解にも触れていることがわかった。この報告書は憲法裁判所のメンバーにとってなんら拘束力を持つものではない。
■ 解党裁判にも影響
大学でのスカーフ解禁を認める憲法改正の取消を求める提訴について、高等裁判所が出す結論には、公正発展党(AKP)の解党裁判も影響するとみられる。AKPに対し解党を求めている最高裁判所共和国検事総長のアブドゥッラフマーン・ヤルチュンカヤ氏は、起訴状で大学でのスカーフ解禁をもたらす改正をも、「世俗主義に反する焦点となっている」とその論拠とした。
■ 11人の委員が決定を下す
報告書がメンバーたちによって精査された後、憲法裁判所長官のハーシム・クルチュ氏が決定を発表する日には、憲法改正の「取消あるいは廃止が認められ、施行停止」との請求が結論付けられよう。判決は11人から成る憲法裁判所代表団がおこなう。基本メンバーのうちいずれかが不参加あるいは定年となった場合、4名の予備メンバーから最もキャリアの長い人物が委員会に参加する予定だ。
現地の新聞はこちら
( 翻訳者:杉田直子 )
( 記事ID:13841 )