アメリカ政府、ドーハでのレバノン各派の対話に支持を表明
2008年05月17日付 Al-Nahar 紙

■ アメリカ政府、ドーハでの対話を重視、国連安保理の協議を中断
■ サウジアラビア政府、「明確さ」を望んでいたと表明。シリア政府は対話を支持

2008年05月17日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 レバノン情勢に詳しいあるアメリカ政府高官は、アメリカ政府はドーハでのレバノン各派の対話プロセスに満足し、これを支持していると述べ、「ドーハでの対話は1年半以上前から続いている危機の解決をもたらすかもしれない」と語った。また、「ヒズブッラーの武装問題に関する率直な協議の機会が設けられる可能性もある」と述べ、包括的な政治プロセスの枠組みの中でヒズブッラーの武装解除を行うことが必要だと主張した。また、次期大統領の選出についても進展がありうるとの見通しを示した。

 同高官は、「現在はドーハに焦点がおかれるべきだ」と述べ、国連安保理で現在行われている外交努力が一時中断されることを示唆した。それは安保理での協議の停止を意味するのかという質問に対しては、「国連での活動については一切コメントしない。我々はドーハでの協議を成功させたい。ドーハでのプロセスを妨げるようなことは一切行いたくないのだ」と答えた。

 また同高官は、アメリカ政府がドーハでの対話を支持するのには多くの理由があると述べ、「多くの人々が、アメリカ政府はドーハの対話を支持していないと主張している」ことや、「その対話がうまくいかなかった場合、アメリカ政府がその成功を妨げたと言いたがっている」ことを挙げた。また、「もしヒズブッラーの武装問題が我々の望むような真剣さをもって協議された場合、おそらくヒズブッラーは、アメリカ政府がこう言ったとかああ言ったとか述べたてて、対話から脱退する口実を探すことだろう。...だから我々は公式の場においても、安保理の非公開協議においても、我々は今回の対話プロセスを支持すると述べたいと考えている。我々は3月8日連合のメンバーを含むレバノン各派の指導者たちと接触して、今回の対話を支持し、干渉することなく援助すると強調している」と述べた。

 またこの高官は、レバノン国民とアラブ連盟および「レバノンの友」諸国[※レバノン政府を支持するアラブ諸国の有志連合]がレバノンの次期大統領選出を呼びかけていることに言及したうえで、「ドーハの対話によって、全ての人々が求めている大統領選出により近づく可能性があるようだ」と述べた。

 しかし、ワフィーク・シュカイル空港保安局長の解任とヒズブッラー通信網の非合法化に関する決定の実施の取り止めを政府が決定したことについては、この米政府高官は直接言及することは避け、「私は現実の中で生きているレバノン人たちを非難することはしない。レバノン政府の立場は道義的なものであった。...戦闘を止める必要があったのだ。国軍が政府決定の凍結を勧告し、政府はそれに道義的な立場をもって応えた、ヒズブッラーがレバノン国民や国家機構に対して武力を使用したのと比較して、それは道義的な姿勢だった」と述べた。

 また、ドーハでの対話においてヒズブッラーのような諸武装組織と国家の関係について言及がなされるだろうとの見方を示し、「だから、ヒズブッラーの通信網や空港の状況に関して、最終的な結論は未だ出ていないのだ」と述べた。

(後略)

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( 翻訳者:梅原春奈 )
( 記事ID:13851 )