スーダン政府、反政府勢力の首都攻撃を受けチャドと国交断絶
2008年05月12日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ スーダン大統領、反政府勢力のハルツームへの攻撃を受けてチャドと国交断絶

2008年05月12日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【ハルツーム:本紙】

ダルフールの反政府勢力がスーダンの首都ハルツームに対して行った攻撃を受けて、スーダンは昨日チャドとの国交を断絶した。スーダン政府は「チャドのイドリース・デビ大統領が攻撃を支援した」と主張する。

反政府勢力は土曜にハルツームのウンム・ディルマーン地区で政権を奪取しようとスーダン国軍と交戦、スーダン当局者は「攻撃は鎮圧されたが、過去数十年間の紛争の中で、スーダン人反政府勢力が首都に戦闘をもたらしたのは今回が初めてである」と述べた。スーダンのウマル・ハサン・アル=バシール大統領は国営テレビが報じた声明で、「これらの勢力は基本的にチャドにより支援され武装され、ハリール・イブラヒーム〔訳注:ザガワ族を中心としたダルフールの反政府勢力『正義と平等運動』指導者〕の指揮の下、チャドからやって来たチャドの軍隊である」「600キロメートルの砂漠を越えてハルツーム西郊を奇襲した反政府勢力は、スーダン西部ダルフール地方の『正義と平等運動』のリーダーであるハリール・イブラヒームが指揮していた」などと述べた。

チャドは攻撃への関与を一切否定したが、アナリストらは「チャド政府は3ヶ月前のチャドの首都への攻撃の報復として反政府勢力を支持したかもしれない」と見る。〔人道支援団体〕セーブ・ダルフール連合のアムジャド・アタッラー氏は、「少なくともこの側面に関しては、同事件はスーダンの政権党である国民会議が2月にチャドの反政府勢力を支援して、チャド政権の奪取寸前にまで至らせたことへの報復とみえる」と語った。

スーダン南部と西部の反政府勢力は数十年前から、スーダン中央政府が彼らの地域を放置していることに不平を訴えてきた。2005年、南北の和平合意が内戦を終結させ、南部での石油生産の増加によりスーダン経済は活力を増したが、5年前にダルフールで勃発した紛争はこの和平合意の対象外だった。国際的な専門家達の推計では、そのほとんどが非アラブ系である反政府勢力が武器を取って以来20万人が死亡し、250万人がダルフールの居住地からの避難を余儀なくされた。

野党・人民会議のバシール・アダム・ラフマーン政治局長は、「土曜の戦闘によって戦火は国家の中心部にまで達しつつあり、この機に意義ある和平協議を行わねばならないということが政府にとってはっきりした」と言うが、政府高官らはナイル川対岸からハルツーム近郊のウンム・ディルマーンに向けられた今回の攻撃によって「正義と平等運動」は和平プロセスから遠ざかったと語っている。

(後略)

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( 翻訳者:平川大地 )
( 記事ID:13865 )